園田海未「私、園田海未は、高坂穂乃果と南ことりを愛しています」
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◆N2ciT2iELQ
[sage]
2017/03/30(木) 18:30:36.62 ID:y4VgxIfx0
穂乃果「海未…ちゃん…?」
海未は、テーブルの上に手のひらを置き、シャープペンシルで勢い良く突き刺した。
海未「ぐっ…」ズボッ
シャープペンシルを引き抜くと、どぷりと手のひらに開いた穴から血が吹き出す。
穂乃果「海未ちゃんっっ!!!」ガバッ
穂乃果は海未に駆け寄り、乱暴にテーブルの上のティッシュ箱からティッシュを取り出し、海未の手のひらの傷口を押さえつけ止血を試みる。
海未「来ましたね、穂乃果」ガバッ
海未は素早く穂乃果の後ろに回り込み、穂乃果を羽交い締めにして、首元にシャープペンシルを突きつける。
穂乃果「海未ちゃん、血が! 血が! 早く止めないと、離して!!!」
穂乃果は自分の危険には意も介さず、しきりに海未を心配する言葉を投げかける。
海未「ことり、私は本気です。貴女が自分の首を刺せば、私は貴女の大好きな穂乃果を同じように殺します」
ことり「っ…! 卑怯者っ!!」
海未「なんとでも言いなさい。貴女が死ぬのなら、私が生きている意味もないのです」
海未「生きている意味がないのなら、なんだってできます」
ことり「どうしてこんなことするの!?」
海未「貴女を世界一愛しているからです。私の元にずっと置いておきたいからです」
ことり「嘘…」
海未「本当です」
ことり「嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だっ!!!!」
ことり「だって、だって海未ちゃんは、穂乃果ちゃんのことが」ポロポロ
海未「二人とも愛してるんです!! どちらが上も下もありません!」
ことり(あ…)
(ことり「二人とも大切だったの。上とか下とかないの」)
海未「ずっと昔から、二人とも同じようにお慕いして来ました」
(ことり「海未ちゃんと穂乃果ちゃん、二人とも同じように大好きだった」)
ことり(海未ちゃん、そうなんだね。『好き』の意味が違うだけで、海未ちゃんもことりと同じだったんだね)
海未「私はずっとその気持ちをごまかし続け、その結果こうなってしまいました」
海未「私から何もしなくても、穂乃果やことりは私を友達として好きでいてくれる」
海未「私のあるべき方向を二人で示してくれる。私はそれに甘え、流されていたのです」
海未「思えば私はいつもそうでした」
海未「親に、教師に、友人に、穂乃果にことりに流され、流された場所でしっかりした様を見せて、真面目だ、頑張り屋だ、優秀だと言われて満足する」
海未「自分では何も決めず、他人の決めたレールをただ走っているにすぎないというのに」
海未「……学校の勉強はそれでよかったのでしょう。スクールアイドルの活動も、穂乃果に引っ張ってもらえばよかった」
海未「生徒会だって、絵里達から引き継いだ通りにやればよかった」
海未「これは私の性のようなものです。しきたりや決まりごとが多い私の家の環境を考えると、それに順応したといえます」
海未「それに苦痛を感じたことはありませんし、これからも変わらないだろうなと思います」
海未「……でも私は、私が愛する人とどうなるかぐらいは、自分で決めたいのです」
海未「たとえそれがわがままでも、身勝手でも、普通ではないとしても」
海未「これは私の意地です。決められた運命への、周りから見ればささやかで、でも私から見れば大きな反抗です」
海未「だから、私は決めました。ことり」
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