八幡「ゲームが完成しそうだからすぐこい?」 ルナ「ルナのゲームだよ」
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◆SqZQSXA.b2
[sage]
2017/06/23(金) 02:48:03.53 ID:t6k7s4UT0
十数時間後
八幡「今日はなにもない,素晴らしい一日だった」
まっくろな窓に映った自分の腐った瞳を眺めながら,呟いた.
それを聞きつけた天剣の乙女が,鎧の手入れをする手を止めた.
天剣の乙女「主は休養をとり,私は情報を集めた.今日は,意義のある一日だっただろう」
まったくそのとおり.召喚の反動である疲労は大方回復しつつあったし,彼女はあれで村民から聞き込みをしていたのだから,抜け目ない.
八幡(だけど,確かに俺は何もない一日を送ったのだ.
明日の自分が昨日の自分と寸分と違わない,退廃的な日常を)
それを責めるのは,ラビットさんの死の影に怯える自分だけだ.
八幡「…天剣の乙女,さん.もう一度聞かせてくれ.
巫女がカミの森に棲んでいるのは,真実なんだな」
天剣の乙女「私が尋ねた村人達は,みなそう答えたよ.そして,どういうわけか巫女の様子を尋ねると一様に口を噤んでしまう.
この村で,ある種の緘口令が敷かれていると考えるべきだろう.例えば『現在の巫女の様子を口にしてはいけない』とな」
八幡(やはり何度聞いても,違和感はぬぐえなかった.
巫女の居場所は話すのに,なぜ巫女については話せない?)
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