永琳「あなただれ?」薬売り「ただの……薬売りですよ」
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646:名無しNIPPER[saga]
2018/12/24(月) 01:24:57.79 ID:A1WvWOlK0


薬売り「結局……ここには誰も、誰一人として、”いらぬ者などいなかった”と言う事ですな」

薬売り「まぁ、結果こそ一言で言い切れるものの……されどその過程、まさに筆舌に尽くしがたし」



【ナラビ】



薬売り「しかし貴方はそれでも、限り無き尽力と確固たる意志で持って、見事大功を成してみせた――――まさに撼天動地の極致」

薬売り「いやぁ実に、めでたしや、めでたしや……」


https://i.imgur.com/HnPURIm.jpg



薬売り「よって僭越ながら……細やかな”御祝い”の準備をさせていただきました」

薬売り「ささどうぞ、遠慮なさらずに、どうぞ…………お手元の”御皿”を、お取りください」



 『パキ――――』。
 薬売りが指し示したと同時に、皿は一人でにヒビ割れた。
 元々欠けていたわけでも、実は「適当にその辺で拾った物だったから」なわけでもない。


https://i.imgur.com/ggjVuYx.jpg


 『パリン――――』
 そうこう言う間もなく、皿は破片となりてその場に崩れ落ちた。
 つまりは、皿は当てられたのだ――――”怒り”と言う力に。



薬売り「おや……まぁ……」



 「祝事に皿」。これは祝いの席における禁忌の一つである。
 その所以は、この皿のような割れ物が、めでたき縁を「割る」「壊す」「砕く」と悪い縁起を担ぐ為だ。
 近年では、この作法を知らぬ若輩者が実に多く見受けられる……とは言え、今時そんな古き慣習に拘る老輩もままいまい。
 所詮はただのゲン担ぎ。何時廃れてもおかしくない、どこかの誰かの思い付き――――



薬売り「お気に召さなかった……ですかな?」



――――だが薬売りは違う。
 無駄に博識なこの男が、この程度の作法を知らぬわけがない。
 それにこの見るからに一物抱えた顔……完全に、わざとである。
 よって、このような「誤った作法」を向ける意もまた、ただの一つしかなかった。



薬売り「折角、共通の理を目指した……”一時の友”だと、思うておりましたのに」




【見合い】




 「――――これからお前を討つ」。
 実に薬売りらしい、皮肉に満ちた”宣戦布告”であったのだ。


https://i.imgur.com/tslJSYX.jpg



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