永琳「あなただれ?」薬売り「ただの……薬売りですよ」
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560:名無しNIPPER[saga]
2017/12/22(金) 22:48:12.43 ID:ILnw9GSu0


薬売り「一説によると……兎は”光を感じる器官”が、強く発達しているそうです」

薬売り「それは、兎が夜行性な為……元来、”光の薄い環境下”で生息する生き物が為」


てゐ「だからなんだってんだ……」


薬売り「ただし……それ故に【色彩感覚】に、やや難があるそうです」

薬売り「理屈は簡単だ――――”光が色を薄くしてしまうから”」


てゐ「それが……なんなんだよ……」



『――過剰なる光への追及が彩を欠き、彩欠けし眼は霞を生む。
   霞は目視を鈍らせ、滲ませ、ついには現すらをも遠ざける――』



薬売り「ただしその分、幻とはよく馴染む……闇夜と言う名の、幻には」



てゐ「だ〜〜〜〜もう! 一体何が言いたいんだよッ!」



 時に――――話を遮って申し訳ないが、ふと思い出した事がある。
 いやな、身共の知り合いに、とある絵描きの男がいるのだが……
 その者がいつだったか、熱心に語っておった話を、ふと思い出したのだよ。



薬売り「貴方が真に見るべきは、一寸先の闇ではなかった――――”今ここにある光”だったのだ」



 その者は、若い頃に”色の使い方”に悩んでおったらしくてな。
 と言うのも、絵の「線」ばかりを描き連ね、「色」を学ぶ事をおざなりにしていたそうな。
 おかげで線形こそ卓越なれど、無色無彩が故に、心無き者から「洛書」と評される事がしばしばあったとか。

 そこでその絵描きは編み出した――――”色彩を無彩で表す方法”である。
 曰く、『明暗の差異を強調する事で、あたかもそこに色があるかのように見せる』画法とかなんとか。
 よくわからんが、南蛮にも似たような画法が存在するらしい。
 そこにちなんで、絵描きはその画法を、こう言う風に呼んでおった。



【コントラスト】





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