永琳「あなただれ?」薬売り「ただの……薬売りですよ」
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555:名無しNIPPER[saga]
2017/12/22(金) 22:05:21.60 ID:ILnw9GSu0


てゐ「……今、なんか言った?」

薬売り「いえ? 何も……」


 それは、瞬きする間もないほんの一瞬の所作であった。
 しかし薬売りは確かに見た。
 明らかに気分を害した妖兎の心情。
 その心情を表すかのような「しかめ面」。
 その中に――――兎を含む獣の本能が見えたのである。


https://i.imgur.com/AqgAzqR.jpg



薬売り「どうか……いたしましたかな?」

てゐ「…………」


 さらにはこの一瞬の変化は、何も妖兎のみに限らずであった。
 薬売りが妖兎の表情を目撃したのと同じく、妖兎もまた、刹那に薬売りの本能が見えたのだ。

 その顔は――――確かに”笑って”おった。
 それも歓喜の笑みではない。
 かつて自身幾度も向けられた、なじみ深くもいと憎し表情。
 矮小なる者を笑うかの如き――――”嘲り”の笑みである。


てゐ「何よ……言いたいことがあるなら、ハッキリいいなさいよ」

薬売り「そうですか……なら、遠慮なく」


 妖兎は、この薬売りの変化を明らかに察知していた。
 そして「やはり見間違いではなかった」と確信するに至る。
 ならば、この唐突に訪れた態度の変わり目は、一体何を意味するのであろう――――
 その答えは、やはりただの一つしかなかった。



薬売り「フフ…………フフフ」



【失笑】



薬売り「フフフフ………………ハッハッハ」



【冷笑】




(フフフフフ――――ハハハハハ――――)




【嘲笑】



てゐ「――――何笑ってんだよ!」



 真の敵は、月でも巫女でもスキマでもない――――
 この目の前のうさんくさい男こそが、最大の”敵”であったのだ、と。



【不倶戴天】




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