永琳「あなただれ?」薬売り「ただの……薬売りですよ」
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546:名無しNIPPER[saga]
2017/12/21(木) 00:31:46.59 ID:quhZaAAU0


てゐ「――――ハッ!」


薬売り「…………」



【起床】



薬売り「おはようございます……」


てゐ「あ、え……あれ?」


 両者をまたぐ沈黙は、ようやっと終焉を迎えた。
 理を話すと言いながら、突如黙し始めた妖兎の様相は記憶に新しい。
 その所以は、まぁ、わからんでもないよの。
 話す内になにやら「込み上げる物」でもあったのかと、十二分に察する事ができようぞ。


てゐ「あ、ごめ……なんかちょっと……うとうとしてたかも」

薬売り「いえいえ……どうか、お気になさらずに」


 そんな妖兎を諫めるわけでもなく、薬売りはただ、静かに見守るのみであった。
 実に薬売りらしからぬ所作である。
 それは、ひょっとするとひょっとして、薬売りなりの「気遣い」のつもりだったのかもしれんが……
 しかしながら、それもどうも、やはりズレていると言うかなんと言うか。


てゐ「えと……どこまで話したっけ?」


薬売り「ああ、その事については、もうご心配に及びませぬ」


 やはり慣れぬ事はするものではないな。
 勝手掴めぬ振る舞いは、往々にして物事を悪化させると言うものぞ。
 それは、今この時についてもそう。
 手前勝手な沈黙の補助は、貴重な刻を、無駄に費やさせる結果しか生まなかったのだ。



薬売り「もう――――”貴方様の理は知れました”ので」



 そう、ついに終わってしまったのだ――――人々が【夜】と呼ぶ、暗黒の刻限が。



【暁光】



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