永琳「あなただれ?」薬売り「ただの……薬売りですよ」
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530:名無しNIPPER[saga]
2017/12/17(日) 20:44:23.29 ID:gi94QXUf0



(………………まじかぁ)


 あたかも最初から誰もいなかったかのように、さざ波の音だけが鳴り響いた。
 ザザーン、ザザーンって寄せては返す波の音が、次第にてゐの心へ冷静さを取り戻させた。
 おかげでてゐは、呆然としつつもゆっくりと考る事ができた。
 そして、緩やかに結論へ辿り着いた――――「もしかして、夢でも見ていたのかな」って。
 

兎「時間が過ぎる事に、ついさっきの出来事のはずが、途端に夢か現実かわからなくなった」

兎「ひょっとしたらうたた寝でもしてたのかもしんない。波の音色に誘われてついうとうと……なんて、よくあった事だしさ」


 あの時唐突に現れた男が、夢か現実だったのか……それは今でもわかんない。
 でも、男が語った話は、いつまでもてゐの中に残ってた。


兎「――――自分は一体何者なのか」。


 兎の身でありながら、あらゆる生き物と会話を交わし
 兎の身でありながら、童のような身なりをし
 兎の身でありながら、やけに計算に強く
 兎の身でありながら、奉られる程に信頼を浴び
 兎の身でありながら、人知を超えた奇怪な奇病に罹り
 兎の身でありながら、それでも生物の枠を超えて生き続ける自分。


https://i.imgur.com/OHsXqth.jpg



兎「自分に纏わるあらゆる謎が、一本の線で繋がってる気がした……いたかどうかもわかんない、男の話の中にね」

薬売り「つまり、最終的に――――”勘”で動いた?」

兎「平たく言えばそうなるねぇ……でも、てゐの勘は”ただのあてずっぽうじゃない”事を、あんたはすでに知ってるはずだよ」



 だから、表すことができた……
 ”内在する二つの可能性”として。





(――――うわっ!?)





【衝撃】




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