永琳「あなただれ?」薬売り「ただの……薬売りですよ」
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529:名無しNIPPER[saga]
2017/12/17(日) 20:31:46.21 ID:gi94QXUf0


薬売り「彼女がその、181名の内の誰かだとでも……?」

兎「おや? まるで知り合いみたいな言い草だね」

 
 幻を真とし、夢を現と成す、八雲の箱庭。
 ありえない矛盾で成り立つ世界の存在は、もちろんてゐのお脳に、無数の「?」を浮かばせた。
 話だけ聴くと、童の空想といい勝負よ。
 「下らない」。普段のてゐなら、きっとそう言い捨ててる所ね。


(ねえ、だったらそこへは、どうやって行けば――――)


 でも――――今回ばかりは、聞き捨てちゃいけないと思った。
 ちゃんとわかるまで、最後まで付き合わないといけないと思った。
 だって男は自称・同業者。
 感謝と幸福を紡ぐ、かつての恩人の子孫だったんですもの。




(……………………あれ?)




 そんなてゐの思いも空しく……返事は返ってこなかった。



【夢消失】



 ふと振り向けば――――そこには、”誰もいなかった”のよ。
 ついさっきまで隣にいたはずなのに。
 影も形も何もかも……存在そのものも。
 

薬売り「消えた……?」


兎「そうとも言えるし……見方を変えれば、”最初から誰もいなかった”とも言える」


 
【夢想】




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