永琳「あなただれ?」薬売り「ただの……薬売りですよ」
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519:名無しNIPPER[saga]
2017/12/14(木) 01:35:10.63 ID:wRncuJPX0


(なんか浸ってる所悪いけど……うちら夜行性なんだけど)

(おっと失敬……そういえばそうでしたな)


 闇に取り残された兎。
 そしてその中で朧げに浮かび上がる「食われた記憶」が、さらに絶望を確信に変える。
 「もしかしてここは黄泉の国で、自分もあの時一緒に消えてしまったのでは――――」。
 そんな発想に至るのは、ごくごく自然な成り行きだったと思う。


兎「絶対に死んだと思ってた。でも、生きてた」

兎「その事を教えてくれたのは……天をも照らす、まばゆい光だった」


 兎は思わず目を眩ました。
 だって、さっきまで黒一色だった世界が、いきなり真っ白に輝き始めたんですもの。


【照】


 そして輝き始めた世界は、徐々に正体を露わにし始めた……
 青い空、白い雲、茶色い大地、生い茂る緑――――それと、さざ波の音色。


兎「よく見知った風景だった……思わず”誰かにお勧めしたくなる程”のね」 


 もしかしたら、黄泉の国にも似たような風景がある可能性、無きにしも非ずではあるけども。
 でも兎は、そこが黄泉の国ではない事はすぐにわかった。
 単純な話さね。結局はなんてことない――――兎は最初っから、”どこにも行ってなかった”のさ。


兎「黄泉どころか国境すら超えてなかったのさ…………人間が勝手に引いた、境目すらもね」



 だって、振り返ったすぐ後ろには――――


https://i.imgur.com/j7lo52n.jpg



(ならばなおさら、よくご覧になるでしょう……この夕景によく似た、もう一つの景色を)

(……まぁね)



兎「旧因幡国隠岐郡・隠岐諸島――――後にとある兎が、身の程を思い知る場所だったのさ」



【起来】





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