永琳「あなただれ?」薬売り「ただの……薬売りですよ」
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518:名無しNIPPER[saga]
2017/12/14(木) 01:31:53.61 ID:wRncuJPX0



(綺麗な……夕日ですね)

(……そうね)



兎「そうしてまんまと地上の棲み処を手に入れた兎だったけど……残念ながら、そこも長くは持たなかったんだわさ」



(あれほど青かった空が赤く染まり、日は黄金色に輝き、大地は暗き緑に覆われ……そして薄き水色を経た後、闇夜へ染まる)

(まるで虹のような……暗明を繋ぐ、架け橋のような)



兎「その棲み処はまるで夢の中のように、とっても居心地のいい場所だった」

兎「だけれども、不運な事に……”時期が悪かった”」



(そしてまた、日が昇る……今度は、明暗の架け橋が現れる)

(日が昇れば数多の命が目覚め……次第に、命と命が繋がっていく)



兎「ちょうどその時、その地一帯で大規模な川の氾濫が頻発しててね……案の定、それは因幡国にも起こった」

兎「津波と見間違うほどの大洪水だった……川はまるで蛇のように、あの穏やかな森林を丸飲みにしてしまった」

兎「もちろん――――”中にいた兎もろとも”ね」


 こうして兎の夢は、たったの一夜にして消えてしまった……そりゃもう、大層悲しみに明け暮れたさ。
 そしてそれ以上に――――恐怖を覚えた。
 何故ならば、ふと辺りを見渡せば、そこは何もない空間。
 見渡せど見渡せど、闇しか見えぬ暗黒の世界でしかなかったんだ。



【常世】





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