永琳「あなただれ?」薬売り「ただの……薬売りですよ」
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437:名無しNIPPER[saga]
2017/12/01(金) 02:21:57.17 ID:EID7KJ+P0


(――――ちょ、ちょっと! その話、詳しく聞かせてほしいのよさ!)


てゐ「向こうの世界には――――常日頃から、事欠かない話題が飽きる程に溢れてる」

てゐ「それは島にはない現象……たかが時化如きに大騒ぎするような島には、決して訪れる事はない”稀”」


 よく考えたら、当然の事だった。
 だって和邇は、島と世界とを隔てる”海”に住んでるんだもの。
 島には噂すら届かない向こうの世界の出来事が、海の中までは十分届く。
 その証拠に、和邇は案の定、たくさんの事を知ってたわ……”あたしの知らない事”を、たくさんね。


てゐ「そんな和邇の群れに出会ったのは、もはや運命としか思えなかった」


 和邇の宴がやたら盛り上がってたのもそのせい。
 だって、和邇が海の中にいる限り、話のネタに尽きることはないもの。
 だから……”この機会を逃せば永遠に向こうに辿り着けない”。そんな気がしたのよ。
 だってあたし兎だし……兎は海を、泳げないし。


てゐ「でも半端に怒らせた分、すんなり頼まれてくれるとも思えなかった」

てゐ「そこであたしは考えた――――”取引をしよう”」

てゐ「この和邇共を何とか言いくるめて、必ず向こうの世界へ渡ってやる……あの時は、その事しか頭になかった」



薬売り(…………ん?)




【?】





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