永琳「あなただれ?」薬売り「ただの……薬売りですよ」
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432:名無しNIPPER[saga]
2017/12/01(金) 00:29:04.00 ID:EID7KJ+P0


薬売り「虹が、貴方を縛り付けた……?」

てゐ「そう、ね……あの虹がなければ、あたしが外に気づく事はなかった……とも言える」


【虹の檻】


 その日から、あたしはその高台に通うのが日課になった。
 目的はもちろん、あの時みた景色をまた眺める為。
 毎日毎日ずっと……飽きもせず、一日中ずっ〜と、同じ景色だけを見てたわ。
 

てゐ「起きてる間は、ほとんどそこにいたんじゃないかしら」

てゐ「ほんと、我ながらよく飽きないなってくらい。毎日昇って、四六時中そこにいたっけ」
 

 でも、何度通ってもあたしは満たされなかった。
 風景はほぼほぼ同じ。でもそこには、あるべきはずの物がなかった。
 なかったのよ――――あの時確かに見たはずの、外へと続く虹の橋が。


てゐ「あたしは躍起になった。あの時と同じ風景を見る為に、何度も何度もあの時と同じ場所に通った」

薬売り「それでも現れなかった……そこまで貴方を魅了せしめた、七色の橋が」

てゐ「で、そんなあたしの行動は……”周りが不審がる”に十分だった」

 
 そんなあたしを見かねた誰かが、変な噂話を流したらしくってね。
 おかげであらぬ誤解を一杯受けた……
 よく言われたのよ。ほら、「どこか怪我をしたのか」とか「何か悩みがあるのか」とか。
 こういう時って、説明が大変よね。
 「ただ景色を見てただけ」なんて事言おうもんなら、変に勘繰られて、逆にもっと心配されちゃうんだから。



【気掛】




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