永琳「あなただれ?」薬売り「ただの……薬売りですよ」
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名無しNIPPER
[saga]
2017/11/25(土) 22:59:24.64 ID:cTjbZ6OQ0
てゐ「何よ、何今更ビビってんのよ」
てゐ「あんときゃノリノリで刀突き立てて来たじゃない――――”あたしをモノノ怪と思って”さ」
薬売りは、しばしの間押し黙った。
口を閉じ、眼を閉じ、座を保ったまま、妖兎の煽りに堪えておった。
まぁ……迷っておったのだろうな。
「この圧倒的に不利な状況を、以下にして乗り切らんか」。
まさに難題を突き付けられた、貴公子さながらである。
てゐ「何を迷う? 単純な話じゃない」
てゐ「あたしとの弾幕勝負に勝てたら、全部吐いてあげるつってんの」
しきりに弾幕勝負にこだわる妖兎の姿勢。
薬売りにとっては慣れぬ文化であろうが、この幻想郷ではこれが当たり前なのだ。
弾幕勝負――――弾幕で決着をつけ、弾幕で持って白黒をハッキリさせる、弱肉強食の如き絶対の掟。
妖らしい、実に野蛮な掟である。だが必要な掟であるのもこれまた事実。
てゐ「でも、万が一あんたが負けたら…………」
てゐ「負けたら……負けようものならば…………」
此度の対峙も、まさにその範疇であろう。
弾幕至上主義の幻想郷の理。
それはこの地に足を踏み入れた以上、何者であろうと、一切の関係がないのである。
てゐ「…………ごめん、あたしが勝ったらどうするか、そこ考えてなかったわ」
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