永琳「あなただれ?」薬売り「ただの……薬売りですよ」
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384:名無しNIPPER[saga]
2017/11/25(土) 22:27:58.92 ID:cTjbZ6OQ0


てゐ「だってあいつ、まじバカじゃん? ”この薬”の事だってそう……」

てゐ「そもそも……誰も……蓬莱の薬だなんて……」

てゐ「一ッ言も! 言ってなかったのにさぁ!」


(――――蓬莱の薬は、絶対に知られてはいけなかったのに!)


薬売り「確かに、貴方様は「知られてはいけない薬」の事など、一言も漏らしていなかった……」

てゐ「なのに勝手に勘違いして、襲い掛かってきて、発狂ついでに全部ゲロってんの」

てゐ「言ってはいけないはずの秘密を、自分から……しかもみんなに聞こえるくらいの大声でね」


 そう言う妖兎の語りは、やや恨み節のようにも見受けられた。
 それはやはり、先刻の玉兎との痴話喧嘩が起因であろう。
 あの時は、薬売りを尻目に随分と派手な弾幕が飛び交っていたが……その原因が”玉兎の勘違い”であったとあらば、そりゃまぁ腹正しいであろう。
 喧嘩両成敗とはよく言うがな。あの場に限っては、妖兎は一方的な被害者であったと言えようて。


てゐ「正直まだヒリヒリするんわ。あのバカ、マジで弾幕ぶっ放してきやがったかんね」

薬売り「災難……でしたな」

てゐ「ほんとほんと、とんだ災厄兎よね」

てゐ「月の兎だかなんだかしんないけど、新参者の分際で無駄に偉そうだし」

てゐ「拾ってやったのに感謝しないし。アホの癖にやたら賢ぶるし……」


薬売り「……」


てゐ「勘違いを認めないし、謝らないし、詰めたら発狂しだしてめんどくせえし」

てゐ「ていうかそもそも、なんでタメ口なのこいつって話だし?」


 よほど溜まる物があったのか、妖兎はよい機会だと言わんばかりに、あらゆる愚痴を綴り続けた。
 妖兎の玉兎に対する悪態は個人的な不満でありながら、そこまで的外れでもなかったのは流石である。

 そんな妖兎からすれば、玉兎の失敗に終わった脱走は「ざまぁ見晒せ」と言った所であろう。
 相手の失態をあざ笑う趣向は、この妖兎の大好物である事を薬売りは知っている。
 しかし薬売りは、煽り建てる妖兎の口調から――――”一筋の本音”を感じ取った。



てゐ「あんなバカでアホでトラブルばっか起こす問題兎…………”外に出しちゃダメ”」

てゐ「そう、思わない?」



 悪態と嘲りの末に、導き出された結論――――
 それは此度のモノノ怪騒動と、同じであったのだ。



【籠の中】





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