永琳「あなただれ?」薬売り「ただの……薬売りですよ」
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名無しNIPPER
[saga]
2017/11/25(土) 22:09:01.35 ID:cTjbZ6OQ0
薬売り「おや……」
【反転】
てゐ「あ、あひゃ、あひゃあ……」
【半天】
薬売り「大丈夫……ですか?」
次の瞬間、その場に影はいなくなった。
影は盛大にひっくり返った後、その勢いで持って、偶然にも近くの明かりを灯したのだ。
そして影は露と消え、代わりに現れたるは――――奇怪にも頭と足が逆さになった、「妖兎」の姿であった。
てゐ「おば、おば、おばおばちんどん屋ァッ! い、一体どっから湧いて来てんのよ!?」
薬売り「そちらこそ……あっしは最初から、ここにおりましたが?」
そして、ついに姿を現したる妖兎は、起き上がると同時に溢れんばかりに言葉を放つ――――ありったけの「文句」を載せて。
まぁ正直、「またか」と言った所である。
薬売りに文句を垂れる者は、何も妖兎に限った話ではないのだ。
薬売り「いえね、足音が聞こえましたので、”明かりがついたら”声をかけようと思ったのですが……」
薬売り「姉弟子様が、いつまで経っても、明かりをつけないもので……」
薬売り「故に、声をかける機会を……失ってしまった次第で……」
薬売りの悪い癖だ。こやつはいつも、本当に唐突に現れよる。
このやりとりはもう幾度となく見せられた事やら……もはや思い起こすのも億劫である。
と言うわけで、夜更けが織りなす雅な静寂は……この相も変わらずな薬売りのせいで、文字通り台無しとなったのだ。
薬売り「むしろ、こちらの方がお尋ねしたい――――”何故に明かりをつけないので?”」
今回の弁明は曰く、「声をかける機会がわからなかったから」と言う事らしい。
ただでさえ暗い亭の中。さらにはその中で、明かりもつけずに忍び足を擦っているとあらば、まぁそうなる気持ちもわからんでもない。
てゐ「何故もなにも……あんたさぁ、空気読めないって言われない?」
薬売り「空気……ですか?」
にしても……こいつに限っては、やはり”わざと”だったと、身共は断じよう。
だって、そうであろう?
いくら暗がりとはいえ、そこで誰が、何をしているかなど……薬売りだけはハッキリとわかっていたはずではないか。
てゐ「ったくもう……まじで……心の臓が飛び出るかと思ったわよ……」
薬売り「床が、汚れてしまいましたな」
てゐ「おかげさまでね。口ン中おもっきし吹き出しちゃったわよ、このアホンダラが」
薬売り「ご心配なく……後ほど、雑巾を御貸ししますので」
てゐ「――――お前が拭けよ!?」
まぁ……薬売りの倫理感など、所詮はこの程度である。
そういうわけで、だ。
床に散らばった吐しゃ物は「誰が拭くのか」など、そんな事はどうでもよいのだ。
肝心なのは――――この妖兎が”何を吐いたのか”にかかっているのである。
【零】
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