永琳「あなただれ?」薬売り「ただの……薬売りですよ」
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284:名無しNIPPER[saga]
2017/05/20(土) 17:53:43.47 ID:vYXW/NBlo


レイセン「嘘よ……そうよ、こいつは”また”嘘をついている!」

レイセン「だってそうじゃない! あたしが斬られれば、あたしに封じ込めた”嫌な事”も全部元に戻ってしまう!」

レイセン「騙されないでちんどん屋! こいつはまたこうやって……嘘八百でこの場を凌ごうとしてるのよ!」

薬売り「何故嘘と……わかるんです?」



――――何から何まで一切信用できない薬売りでしたが、一つだけ、本当の事を言ってました。
 それは、”本当にモノノ怪が現れた”事です。
 モノノ怪は次から次へと周りの人々を攫います。
 にもかかわらず、薬売りは未だモノノ怪を斬れずにいました。



レイセン「”そーゆー奴”だからよ! 最初に言ったでしょ!」

レイセン「こいつはいつだって嘘ばかり……出まかせと口八丁でその場を凌ぐしかできない、ただの兎なんだから!」

薬売り「では何故……嘘をつく必要があるんです?」

薬売り「嘘であろうとなかろうと……結局、”剣は抜けないまま”だと言うのに」

レイセン「それは…………!」



 全く頼りにならない、本当にうさんくさいだけの男です。
 が、そんな役に立たない薬売りのおかげで……一つだけ、気づく事が出来ました。
 


薬売り「そういえば……最初にお師匠様がおっしゃってましたね」


(――――だったら出て行きなさい)


薬売り「ある意味……師の命を忠実に守ったと言えますが」


 
 それは――――「逃げる事」。
 モノノ怪がこの地で暴れまわっている間に、逃げて、逃げて、遥か遠くに逃げて――――
 ”月の迎えを永遠亭から遠ざける事”。
 それが今の自分にできる事なのだと、そう思いました。





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