永琳「あなただれ?」薬売り「ただの……薬売りですよ」
1- 20
246:名無しNIPPER[saga]
2017/05/12(金) 20:07:07.61 ID:scudlLjvo


(そうして愚かな地上人は正義の月人に成敗され、二度と立てつくことはありませんでした〜……)

(めでたし、めでたし)


 レイセンの語る話には、ある一つの特徴がありました。
 それは、全てが”地上をこき下ろす内容”だった事です。
 レイセンは話に必ず一文を加えました。
 「穢れた地は、その穢れを月にまで蔓延させようとしている」。
 レイセンの創作話は、それを前提にして組み立てられる事が多かったのです。


(――――かぁぁ〜〜〜ッ! 仕事後の一杯って最ッ高〜〜〜ッ!)


 幸か不幸か、かつて八雲紫が月を攻めた事も手伝い、月人にとっては非常にリアリティのある話となりました。
 そして最後は必ず月側が勝つ……
 月人はそれを「月の賛美」と捉え、より新たな賛美を日々要求しました。


(おっしゃあ! じゃあいっちょ、新作作るか!)


(やるわよ〜! 前よりも、あっと驚く痛快劇ね!)



 新たな話を毎日創作し続ける事は、本物の噺家にとっても大変な重労働です。
 ですがレイセンは、それでも欠かさず、守り通しました。



(広めなきゃ……もっともっと、穢れの恐れを広めなきゃ……)



 そうする事しか、知らなかったからです。



(じゃないと……”鬼”に見つかってしまう……!)



 その身に焦げ付いた恐怖から、眼を逸らす術をです。


www.dotup.org





<<前のレス[*]次のレス[#]>>
808Res/717.96 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice