永琳「あなただれ?」薬売り「ただの……薬売りですよ」
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232:名無しNIPPER[saga]
2017/05/07(日) 11:27:03.44 ID:qbKvk9zbo


(飛車に細工して、証拠でっちあげて、偽装の報告書作って……ふふ)

(我ながら完璧すぎる計画だわ……これで永琳も、罪人確定ね)


 ある日、永琳の下へ、月の有力者から直々の直命が下されました。
 その内容は――――”輝夜姫を迎えに行く事”です。
 その命は月の中でも最重要任務として扱われ、よって面子には、永琳のような名の通った月人のみで構成されました。

 「かつて禁忌を犯した輝夜姫の罪が、ついに許される時が来た」。
 永琳は久しぶりに、笑顔を取り戻しました。
 そんな永琳を見て、レイセンも一緒に笑いました。


(ケケ……ただで帰ってこれると思うなよ…………”裏切者”)


 レイセンは早速行動に移しました。
 表向きは頼れる玉兎の長として。裏では月人を陥れる工作員として。
 二つの顔を器用に使い分け、誰にもバレぬまま、着々と事は進んでいきました。
 レイセンの計画は、気持ち悪いくらいに順調でした。
 そして、そんな気持ち悪いくらい順調なままに――――ついに実行に移す時が、やってきました。


(グッバイ永琳! 気が向いたらまた話題に出してあげる!)

(地上に落ちた元・月人は、穢れた地で原人同然にまで落ちぶれました――――ってさ!)


 名のある月人のみで構成された「姫の送迎人達」は、盛大な見送りを受けながら、穢れた地へと旅立っていきました。
 レイセンはその様子を、”月の瞳”と呼ばれる大きな望遠鏡から覗いてました。
 形式上は事の一部始終を見守る後見人としてでしたが、もちろん本来の目的は違います。
 レイセンはじっと気を伺ってました。
 飛車に仕掛けた罠を動かす、その機会を。 



(…………なにこれ)



 そしてその結果は、結論から言うと――――”大・成・功”でした。
 さらにはその企みは、最後まで誰にもバレぬままでした。
 誰にも見つからず、望むままに、最良の結果だけを得る。
 レイセンにとっては、これ以上はないくらいの快挙でした。
 

 が、それには一つ、とある理由がありました――――
 レイセンが”罠を作動させなかった”からです。




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