永琳「あなただれ?」薬売り「ただの……薬売りですよ」
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227:名無しNIPPER[saga]
2017/05/07(日) 01:23:19.02 ID:qbKvk9zbo


薬売り「姫が……お嫌いだったんですか?」


レイセン「ん〜、嫌いだったって言うかぁ……癪に感じてたのは事実ね」

レイセン「だって、あたしが毎日汗水流して働いてんのに、あの姫様ときたら……」

レイセン「”姫様、わらじをおもちしました”〜とか、”本日のお食事はなになに産のなになにですぅ〜”とか」

レイセン「周りから必要以上にちやほやされてんだもん。んなの見てたら、ムカついてこない?」


 レイセンが語る蓬莱の薬の製造法。
 曰くそれには、薬を調合する薬師と、元となる材料と、もう一人”とある協力者”が必須との事である。
 その協力者こそが――――姫。
 蓬莱の薬とは、姫の協力なしには生み出せぬ、秘薬中の秘薬であったのだ。


レイセン「姫だか月人だかしんないけど、な〜んもしてない癖に……」

レイセン「自分が何もせずとも、周りが勝手に、何もかもを与えてくれんのよ」


 月の中で位が高かったのも、おそらくその辺が関係しておるのだろう。
 永遠を生み出す姫。してその永遠とは、すなわち月の世に置ける禁忌。
 と言う事は……ううむ、存在そのものが禁忌同然の身なのか……
 ならば、そりゃあ月人の扱いも変わると言う物だな。
 何もしない……と言うよりむしろ、”何かしてもらっては困る”のだ。
 

薬売り「その過剰な持て囃しは、今も続いてますな」

レイセン「そーよ! 八意永琳、あいつがあの甘やかしの元凶だわ!」

レイセン「二人のコソコソ話を聞いた時、あたしは確信したね!」

レイセン「こいつ……”忘れてやがる”。あの日あたしと交わした約束を、よりにもよって禁忌の為に」



(…………罪人だ)



レイセン「生まれて初めて真面目に仕事したね! だってあたしは月の番!」

レイセン「月の掟を破る者を、許すわけにはいかなかったのよ!」


 しかしそんな月人の健闘も空しく、案の定姫君はしでかしてしまう。
 永琳にそそのかされたか、それとも自分から持ち掛けたのか……
 ま、どちらにせよ、広まる前に食い止められて本当によかったわい。



(月を裏切る罪人が……”ここにいる”!)



 飲むだけで永遠となる薬。
 そんな物が、万が一大量に、それこそ阿片の如く世に出回ろうものならば……
 おお、くわばらくわばら。想像するだけでおっそろしい。
 レイセンの行動は、紛れもなく「正しき行い」であった。
 誰が何と言おうと、身共はそう、胸を張って言おうぞ。
 



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