永琳「あなただれ?」薬売り「ただの……薬売りですよ」
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216:名無しNIPPER[saga]
2017/05/06(土) 20:46:48.83 ID:JykFf7uxo


レイセン「もう……またそうやって苦しい”フリ”をするんだから」

レイセン「ごまかせると思ってんのかねぇ……”自分自身を相手に”さ」

薬売り「肉の牢に閉ざされた、もう一人の鈴仙。それが貴方の、真なる形……」

レイセン「おかげ様で出てこれたけど、礼は言わないわよちんどん屋」

薬売り「おや……どうしてですか?」


【不遜】


レイセン「だってあんた、気持ち悪いんだもん。見た目も、口調も、その他諸々色々とさ」

薬売り「……」

レイセン「いろんな意味で無理。生理的にキツイ」

レイセン「せめてその無駄に伸びた髪を切りなさい。ついでにオバハンみたいな厚化粧も取ってもらえば?」

薬売り「……」


 ははっ、これは愉快じゃ。
 普段から人を小馬鹿にした態度の薬売りが、今は逆にコケにされておるわ。
 どうやらこのレイセン、随分と舌が回るようで……ふふ。
 薬売りをも翻弄するとは、中々にやりおる。
 薬師より語り部の方が、向いておるやもしれぬの。


レイセン「感謝の気持ちと生理的嫌悪感が、絶妙なバランスで釣り合ってるわ」

レイセン「残念ながら差し引き零ってとこね」

薬売り「零……”無”ですか?」

レンセン「わかるかなぁ? 難しかったかなぁ? 童でもわかる、とっても簡単なひ・き・ざ・ん・なんだけど」

薬売り「……」


 実に口汚き、不遜なる悪態。
 しかしこの悪態こそが、玉兎が隠し続けた、玉兎の「真」なのである。
 そう、レイセンは鈴仙でもあるのだ。
 言わば分身……その分身が、こうして作法のカケラもない口を効いておる。

 すなわちそれこそが――――”玉兎の本性”。
 外面では綺麗事を。内心では蔑みを。
 この二枚の舌を器用に操る心こそが、玉兎にとって”最も知られたくなかった”性なのである。




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