永琳「あなただれ?」薬売り「ただの……薬売りですよ」
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195:名無しNIPPER[saga]
2017/05/04(木) 21:08:04.17 ID:jSwuJJZ7o


薬売り「これはまた……酔狂な事を言いますね」

うどんげ「あたしも上手く言えないんだけど……でも、不思議よね」

うどんげ「この期に及んでも、アンタの言う”斬らねばならぬ存在”だと、あたしには到底思えないの」

薬売り「近しい縁者が、悉く攫われているのに?」


 ”モノノ怪は斬るべき存在ではない”。
 薬売りの存在意義そのものを揺るがすその台詞は、数多のモノノ怪を払いし薬売りには、到底理解できぬ物であった。
 しかし代わりに、一つ思い出した。
 かつて、似たような事を口走った者がいた事を――――「モノノ怪を産み落とす」と啖呵を切った、身重の女の事を。


うどんげ「確かにやり口は褒められない。勝手に現れて勝手に攫って行くなんて、言語道断もいい所よ」

うどんげ「でも……なんと言うか……その……」

うどんげ「…………アレなのよ」

薬売り「また……アレですか」


 この時玉兎が何を言いたかったかは、誰にもわからない。
 しかしまぁあくまで予測ではあるが、口ぶりから察するに「同情に値する場合もある」とでも言いたかったのだろう。

 確かに……そういう者もおった。身共も遭遇したあの海坊主が、まさにそれだ。
 龍の三角をアヤカシの海へと変貌せしめた、あの禍々しきモノノ怪。
 してその正体は、実は徳高き者の”後悔”の念から生まれ出る物だったとは……あの時の身共は、露も思わなかった故な。




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