永琳「あなただれ?」薬売り「ただの……薬売りですよ」
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名無しNIPPER
[saga]
2017/05/04(木) 19:49:26.98 ID:jSwuJJZ7o
うどんげ「お前の……仕業か……!」
薬売り「違いますよ……この穴は、元々ここにあった穴です」
薬売り「こんなに深く掘って、あっしも、後始末が大変だろうと思っていたのですが……」
薬売り「どうやら……ほったらかしにしていたようで」
うどんげ「くっそォ! あのバカウサギだきゃほんと……!」
穴は、元からそこにあった。
よくよく目を凝らせば、暗がりながらなんとか見えなくもない。
注視さえしていれば、その一部分だけの不自然さに、なんとか気づけたはずなのだが……。
しかし見えなかった。それはやはり、闇夜に紛れていたが故。
言い換えれば、”目を凝らす事をしなかった”からとも言える。
薬売り「にしても、そんなに息を切らして……一体何処へ行こうと言うのです」
薬売り「今はまだ丑の刻……夜明けにはまだ、少々速いですぜ」
影。元い玉兎の行動は、夜分に相応しくない不可思議な物であった。
穴に落ちて止まったからよかったものの、穴がなければ今頃疾風と化し、とおの昔にどこぞの地へとたどり着いていた事であろう。
その行動は一言で言う「逃亡」に等しい。
師も、姫も、友も。安住の地の全てを放り出してまで――――
一体この玉兎は、どこに向かおうと言うのだろうか。
うどんげ「お前には……関係ない……!」
薬売り「おやまぁ、関係ない事ございやせんでしょう? だって……そうじゃないですか」
薬売り「モノノ怪に攫われた三人の哀れな供物……それをも霞掛ける、貴方の内に御座す”闇”」
薬売り「もう、気づいているんでしょう? その闇こそが……モノノ怪をこの地へ誘う”糧”であると」
うどんげ「ぐぅ…………!」
ぐぅの音も出ぬとはまさにこの事である。
もはや言い逃れの出来ぬこの状況。
玉兎は、ついに観念したか……その重い口を、ようやっと開きなすった。
その口から出る言葉からして――――やはり玉兎も、最初から気づいていたのだ。
薬売りの言う「モノノ怪を成す因果と縁」。
その説を聞いた時点から、モノノ怪の主体は、”我が身に押し込めた因果にある”、と。
【鈴仙・優曇華院・イナバ――――之・理】
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