永琳「あなただれ?」薬売り「ただの……薬売りですよ」
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名無しNIPPER
[saga]
2017/04/04(火) 23:09:00.57 ID:mAW1yNKRo
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さて、かぐや姫、かたちの世に似ずめでたきことを、帝聞こしめして、内侍中臣房子にのたまふ
『多くの人の身を徒らになしてあはざなるかぐや姫は、いかばかりの女ぞと、まかりて見て参れ』とのたまふ。
房子、承りてまかれり。
竹取の家に、かしこまりて請じ入れて、会へり。
嫗に内侍のたまふ
『仰せ言に、かぐや姫のかたち優におはすなり。よく見て参るべき由のたまはせつるになむ参りつる』と言へば、『さらば、かく申し侍らむ』と言ひて入りぬ。
帝、なほめでたくおぼし召さるることせきとめ難し。
かく見せつる造麻呂を悦び給ふ。さて、仕うまつる百官の人に、あるじいかめしう仕うまつる。
帝、かぐや姫を留めて還り給はむことを、飽かず口惜しくおぼしけれど、たましひを留めたる心地してなむ、還らせ給ひける。
御輿に奉りて後に、かぐや姫に、還るさのみゆき ものうく思ほえて そむきてとまる かぐや姫ゆゑ御返事を、むぐらはふ 下にも年は 経ぬる身の 何かは玉の うてなをも見む
これを帝御覧じて、いとど還り給はむそらもなくおぼさる。
御心は、更に立ち還るべくもおぼされざりけれど、さりとて、夜を明かし給ふべきにあらねば、還らせ給ひぬ。
かやうにて、御心を互ひに慰め給ふほどに、三年ばかりありて、
春の初めより、かぐや姫、月の面白う出でたるを見て、常よりももの思ひたるさまなり。
ある人の、『月の顔見るは、忌むこと』と制しけれども、ともすれば、人間にも月を見ては、いみじく泣き給ふ。
七月十五日の月に出で居て、切にもの思へる気色なり。
かぐや姫泣く泣く言ふ、『さきざきも申さむと思ひしかども、必ず心惑はし給はむものぞと思ひて、今まで過ごし侍りつるなり。
さのみやはとて、うち出で侍りぬるぞ。おのが身は、この国の人にもあらず、月の都の人なり。
それをなむ、昔の契りありけるによりなむ、この世界にはまうで来たりける。
今は帰るべきになりにければ、この月の十五日に、かの本の国より、迎へに人々まうで来むず。
さらずまかりぬべければ、おぼし嘆かむが悲しきことを、この春より、思ひ嘆き侍るなり』と言ひて、いみじく泣くを、翁、『こは、なでふことをのたまふぞ。竹の中より見つけ聞こえたりしかど、菜種の大きさおはせしを、我が丈立ち並ぶまで養ひ奉りたる我が子を、何人か迎へ聞こえむ。まさに許さむや』と言ひて、『我こそ死なめ』とて、泣きののしること、いと堪へ難げなり。
御使ひ、仰せ言とて翁に言はく、『いと心苦しくもの思ふなるは、まことにか』と仰せ給ふ。
竹取、泣く泣く申す、『この十五日になむ、月の都より、かぐや姫の迎へにまうで来なる。
尊く問はせ給ふ。この十五日は、人々賜はりて、月の都の人、まうで来ば、捕らへさせむ』と申す。
かかるほどに、宵うち過ぎて、子の時ばかりに、家のあたり昼の明かさにも過ぎて光りたり、望月の明かさを十合せたるばかりにて、ある人の毛の穴さへ見ゆるほどなり。
大空より、人、雲に乗りて下り来て、地より五尺ばかり上がりたるほどに立ち連ねたり。
内外なる人の心ども、物に襲はるるやうにて、相戦はむ心もなかりけり。
からうして思ひ起こして、弓矢を取りたてむとすれども、手に力もなくなりて、なえかかりたる中に、心さかしき者、念じて射むとすれども、外ざまへ行きければ、あれも戦はで、心地ただ痴れに痴れて、まもりあへり。
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