永琳「あなただれ?」薬売り「ただの……薬売りですよ」
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110:名無しNIPPER[saga]
2017/04/01(土) 14:48:02.29 ID:WqlHno/No


薬売り「にしても……どうしてまた、突然打ち明ける気になったのです?」

薬売り「それもこんな竹林の奥も奥で……誰かに聞かれてはよろしくない事でも、おありなんですかね」

うどんげ「そうね……できる事なら誰にも……特に、お師匠様には……」

うどんげ「これはある意味……姫様とお師匠様を、侮辱する行為でもあるから……」



 鈴仙は、この期に及んでまた口を噤み出した。
 その躊躇いが意味する事は、やはり背徳に対する懺悔なのであろう。 
 薬売りはその様子を、急かすこともせずにじぃ〜っと待った。
 真とは、叶うなら当人が自らの意思で表すのが一番良い……とでも、この時薬売りは思うておったのだろうて。



うどんげ「モノノ怪は、人の因果に憑りつく……だっけ?」

薬売り「そう。モノノ怪を成すのは、人の因果と縁(えにし)――――」

薬売り「人の情念や怨念がアヤカシに取り憑いた時、それはモノノ怪となる」

うどんげ「その怨念って……やっぱり、憎いとか、恨めしいとか、そういう感情?」

薬売り「ええ……”そういうのも”いますね」

うどんげ「だったら……ううん、やっぱり……」

薬売り「お聞かせ……願えますかな」



 しかしにしても、あまりにも勿体ぶった鈴仙の仕草に、薬売りはつい退魔の剣を構え申した。
 剣に付いた鈴が、チリンと小さく鳴る。
 聞き洩らしも十分ありえる程に小さき音であるが、鋭い耳を持つ鈴仙には十二分に聞こえる音である。
 あのきざったらしい薬売りの事だ。どうせ鈴の音で持って、粋に促したつもりであったのだろう。


 「――――さっさと言わぬか! この半人半兎のアヤカシ風情めが!」
 そんな回りくどい真似をせずとも、身共なら直接そう言ってやると言うのに。



うどんげ「一人……心当たりがある……」

うどんげ「姫様と……お師匠様……ううん、もしかしたら、月そのものに恨みを持ってるかもしれない人間……」

薬売り「ほぉ……して……」

薬売り「それは一体、どこのどちらさんで……」



 やはり案の定、この玉兎は知っておった。
 モノノ怪を成す怨念、その真に最も近き者であろうその名を。
 全く、だったら最初からそう述べておけばよかったものを……
 さすればあの姫君も、消え失せる事などなかったかもしれんであったろうに。




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