永琳「あなただれ?」薬売り「ただの……薬売りですよ」
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名無しNIPPER
[saga]
2017/03/30(木) 01:54:03.60 ID:GS5/l6xSo
うどんげ「それがどこにあるのかはあたしにもわかんない。でも、持っているのは本当よ」
薬売り「はて、しかし妙ですな……蓬莱の玉の枝は確か、物自体が贋作」
薬売り「どこぞの誰かが作り上げた、夢物語の中だけに存在する一品……と存じておりますが」
うどんげ「夢物語じゃ……ないのよ」
【凪】
うどんげ「あたし達がいた”かの都”……それがどこかわかる?」
薬売り「そういえば……はるか遠くの果ての地とおっしゃっておりましたから……」
薬売り「北は蝦夷地か、南は琉球か……それでもなければよもや、海の向こうの南蛮の地か」
うどんげ「ううん、全部ハズレ。かの都はそのどこでもないし、そのどこよりも遠い場所にある……」
薬売り「ほぉ……ではどこに?」
うどんげ「――――あそこ」
その時、鈴仙は立てた指を真上に持ち上げ、煌めく夜空を堂々と指さしなすったと言う。
奇怪な返答と思わぬか? 思うであろう。
戯れと思しき程に、その指した指の先は、丸い孤を描く月のちょうど真ん中に突き刺さっているではないか。
薬売り「……満月?」
うどんげ「そうよ、あたし達は……」
しかし鈴仙の返答は、決して戯言の類ではござらなかった。
真摯な鈴仙の顔つきが、その言葉の全てが真である事を示しておる。
うどんげ「あたし達は――――あの”月”からやってきた」
してその時の様子を、薬売りが曰く――――
手を仰ぐ様が月の光に照らし出され、「まるで枝に咲く一輪の花のようであった」などと、申しておった。
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【つづく】
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