36: ◆Wv.nqe0Jy.[saga]
2017/03/16(木) 18:48:01.71 ID:mBfbfeoZ0
妖精さんたちはバタークッキーを手にわたしを見上げます。
「にんげんさん、なにがごよー?」
「はい。このボロ船、安全安心な感じにちょちょーっと改造してください」
困った時の妖精さん。ダメ人間の見本のような状態ですが、もういいのです。背に腹は代えられまい。彼らの扱い方はよく心得てますし、事故など起きないでしょう。
「「「「おまかせー」」」」」
妖精さんたちはいつものようにごにょごにょと輪になって相談すると、動画を高速再生するかのようにボロ船に散らばっていきました。
「さすがです! 姐さん」
ああ、助手さんの尊敬の視線が痛い……。ほどほどの勤労を重んじるわたしとしては、妖精さん任せで全部やってしまうのは心苦しい以外のものはありません。
そうしているうちに、
「「「「おわたー」」」」
妖精さんの作業が終了しました。
「……終わったんですか?」
ボロ船は何の変わりもなくそこにありました。手抜きどころか手を入れていないんじゃないかと思えるほど何も変わっていませんでした。
「あのー、大丈夫なんですか、これ」
「ほしょうしょ、いります?」
「いえ、結構です」
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