315: ◆Wv.nqe0Jy.[saga]
2017/04/22(土) 19:27:51.53 ID:N4f4DzpF0
気が付くと、砂山に埋もれているようでした。おかげで何も見えません。
「んんん!?」
もぞもぞと動きますと、上に突き出た手が空を切ります。それを頼りに、私は砂山から脱出できました。
「ぱぁっ!?」
息を胸いっぱいに吸い込むと、強い紅茶の香りが鼻を突きます。あたりを見回すと、そこはなんと、
「これ全部……、茶葉?」
茶葉の山でした。里の人が総出で飲んでも何十年もかかりそうなほど大量の茶葉です。それが、学舎の体育館ほどのスペースに山のように敷き詰められていました。照明が機能しているため、あたりがはっきりと見渡せます。
わたしはこの茶葉山の上に落ちたおかげで、九死に一生を得たようです。
「あ! 大丈夫だったぁ?」
「ええ、なんとか」
茶葉をかき分けるようにしてアルパカさんが姿を現します。彼女もどうやら無事なよう。
「ここ、どこだろうねぇ。かふぇの下にこんなところがあるなんてぇ、ぜんぜん知らなかったよ〜。こーちゃがいっぱい!」
「貯蔵庫、ですかねぇ。」
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