313: ◆Wv.nqe0Jy.[saga]
2017/04/22(土) 19:26:06.00 ID:N4f4DzpF0
「飲みたいですねー、紅茶」
わたしとアルパカさんが二人してため息を吐いたときでした。
ピシっ、というラップ音が屋内に響き渡ったのです。割と場数を踏んでいるわたしには、その音が何なのかがわかってしまいました。わたしの耳が確かなら、これは木造建築の断末魔。
「……アルパカさん、つかぬ事お尋ねしますが、このカフェは……、その……、建てられて何年ぐらいですかね?
「さぁ? ずーっと昔からあったよ〜」
「……いいですか? そっと、そーっとこの建物から出ましょう」
「へぇ? なんでぇ?」
「このままだとここは……」
そういいかけたその時、バキバキっという破砕音が鳴り響くと、
「ふぁっ!?」
「ええっ!?」
床が抜け落ちました。
下を見ますと、まるで地底のそこまで続いてそうな深く暗い大穴が広がっています。わたしとアルパカさんは、重力に則ってその穴底へと真っ逆さまに落ちていきました。
ああ、願わくば痛みなく一瞬でつぶれてしまいたいものですね……。
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