232: ◆Wv.nqe0Jy.[saga]
2017/03/30(木) 15:17:02.12 ID:Yskfq0Py0
線路が消え、猛スピードのトロッコが谷を飛びます。遥か下方に川が流れているのが見えました。脳の処理速度が上がったのか、流れる風景がスローモーションのように見えます。
このまま、対岸へ……。
しかし、谷幅はわたしが考えていたよりも広かったようでした。トロッコは谷の真ん中に達するより前に下降を始めます。
ああ、ダメだ。
そう思った時、わたしの体は動きだしていました。
両手でカワウソさんとジャガーさんの首根っこをつまむと、トロッコからジャンプしたのです。足の筋肉を最大限駆使し空中に躍り出たわたしは、空中でじたばたと足を動かしつつ、両手に持ったお二人を振り子のように前方に振り上げました。
そこからはよく思い出せません。
気が付いたとき、わたしたち三人は固い地面の上に投げ出されていました。
ばっと顔を起こすと、対岸でセルリアンたちがぼとぼと谷底で落ちていました。
「助かった……」
わたしの体から力が抜けます。どうやらやっとこさ危機は去ったようです。その時、わたしにお二人がのしかかりました。
「ふぐっ!?」
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