167: ◆Wv.nqe0Jy.[saga]
2017/03/21(火) 14:04:32.29 ID:3m83T0D/0
「かばんみたいにすっごくてたのしーこと出来るんでしょ! 見せて見せて!」
「あ……、ええー」
この急流に、橋を、かけ直す? わたしが?
川幅は少なく見積もっても50メートルはあります。妖精さんがいればロンドン橋でもアカシ海峡大橋(かつて存在した世界最大だった橋だそうです。詳細不明)でもどんとこいですが、今のわたしは魔法の力も使えない裸のサル。それも一人。
「えーっとですね……」
どうにか断りの文句を考えますが
「楽しみー!!」
「今度はどんなことやってくれるんだい?」
期待の眼差し、全開。人間、寄せられた期待を裏切るのが一番難しいもんなんですね……。
「ちょ、ちょっと待っててください」
わたしは学舎で培ってきた知識と経験をフル活用させます。そう、かつての人類は魔法なしでも様々なことをやってのけたのです。人類史が蓄積してきた知恵と技術を使って、この危機を脱するには……。
ふと、助手さんが読んでいた書物が思い返されました。そう、あれはたしか、中世の戦国時代の本で……。
「あの、みなさん?」
キラキラした目でこちらを見つめるお二人に言いました。
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