16: ◆AZbDPlV/MM[saga]
2017/04/11(火) 13:02:18.51 ID:YNtF4pbK0
王馬 「うわぁ…猫缶食べてるー」
王馬 「マジで星ちゃん、人としてのプライド捨てちゃってるの?」
王馬 「もう獣じゃーん!」
用意された皿の中の飯を、当然、猫のように食べていると、王馬が言葉とは正反対の好奇心に満ちた目をしながら俺をジロジロと観察している。
鬱陶しいが、相手すればつけあがるのは解っている。目の前の飯を黙々と食う。案外いけるんだな、猫缶。
獄原 「王馬君、人が食事している邪魔をするのはマナー違反だよ!」
王馬 「人じゃないじゃん。猫だよ」
獄原 「そ、それはそうなんだけど、そうじゃなくて…ね、猫さんにだってしちゃダメだと思うよ!」
……いつものがはじまるのか?。
王馬 「今はとりあえず、その話は置いとこうよ」
王馬 「星ちゃんの話聴きたいからさ」
獄原 「あ、うん! そうだね!」
不毛な会話に発展するかと思ったが、王馬が俺に向きなおる。普段は余計なことしか喋らないクセに、優先して話さなきゃならねぇ話があるときは、自分から外しにいっていたとしても、軌道をすぐに自分で修正しやがる。テキトーなのか、意図的なのか、よく解らん。
飯を食べ終えた俺も、座ってふたりをみあげて話す体勢になる。
『つってもな…俺も朝起きたらすでにこうなってやがったからな』
『むしろ俺の方が説明してもらいたいもんだな』
この現象を説明しろといわれても、当事者である俺が1番理解できていない。それを示すようにやれやれと首を振ってみせる。
獄原 「朝起きたら、すでにこうなっていたそうだよ」
獄原も首を傾げながら、王馬に俺の言葉を通訳する。
王馬 「じゃあさ、猫になにか祟られるような悪さしたりしてなーい?」
王馬 「よく言うよね。猫の祟りは強くて執拗だって」
獄原 「ね、猫さんの祟り?!」
王馬 「そのせいだったりしてー」
猫の祟りときいて、獄原の顔色が蒼ざめる。こいつはこうした類の話を間に受けちまいそうだな。
ふつうなら、そんなモンありえねぇと一蹴してしまうところだが、今のこの状態じゃあ、それもあるかもしれねぇと思えてしまう。だが、今明確に答えられるのは……
『するわけないだろ』
短くそれだけ答えた。今の生活で猫に関わる機会なんてそうない。あったとしても、祟られるようなマネをするワケがねぇ。
獄原 「してないって」
王馬 「ふーん。だったら、他に思いあたることないの?」
90Res/117.39 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20