12: ◆AZbDPlV/MM[saga]
2017/03/11(土) 14:12:11.46 ID:XmOu0iY50
王馬 「いって!」
獄原 「えぇっ?!」
王馬が掴む力を緩めた隙に蹴りつけた反動をつかって脱出する。
王馬 「反抗的な猫だなぁ。ま、それならそれでつまらなくないけどさー」
不機嫌そうに唇を尖らせながら胸元をさすっていたが、すぐに口元を歪めてにやりと笑う。こいつの変わり身の早さが不気味だ。
獄原 「星君! イヤならイヤだって言ってくれたら、ゴン太が王馬君に通訳するのに!! 蹴るのはヒドいよ」
獄原 「王馬君も王馬君で、星君にイタズラしたらダメだよ!」
王馬 「え? オレがいつ星ちゃんにイタズラしたのさー? 変な言い掛かりやめてよねー!!」
王馬 「夢でも視てんじゃない? やっぱりゴン太の頭、かなりヤバいよー。 心配だから腕の立つ闇医者紹介しようか?」
王馬 「ゴン太みたいな底抜けにバカ正直なヤツは珍しいから、ちょっと頭覗かれたり、人体改造されたりするかもしんないけどねー」
ゴン太が俺たちの間に必死でわってはいる。王馬とゴン太はいつものような中身のない会話を繰り広げはじめる。
ゴン太とキーボのヤツは大体王馬の暇潰しの相手をさせられている。とはいっても、ゴン太の方はそれを理解しちゃいねぇだろうが。
このまま放っておいたら始業までここに居ついちまいそうだな。仕方ねぇ。
『……悪かったな』
俺の謝罪をきいた獄原は王馬から目を離して俺に振り向いた。
ゴン太 「解ってくれたんだね! 王馬君、星君が謝ってくれたよ!」
王馬 「へぇ……」
訝しむように呟いて俺を一瞥するが、いつもの調子のいい胡散臭い笑顔へ切りかわる。本当にこいつは、腹になに抱えてやがるのか解りやしねぇ。
王馬 「うん! 全然オッケーだよー! 大好きな星ちゃんをオレが許さないワケないじゃーん!!」
王馬 「まあ、ゴン太はオレと違ってクソがつくくらいのバカ正直なヤツだから信じてやるけどさ」
王馬 「ご飯だっけ? 用意したげるから詳しく聴かせてよね」
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