95:ヒヤコ ◆XksB4AwhxU
2017/03/23(木) 22:24:59.14 ID:TdN3Svrc0
苗木 「ち、違う……僕は、そんなつもりじゃない!!」
桑田 「じゃあ、どんなつもりなんだよ?オメーは偉そうな事言っても結局、好きな女一人しか
引きずってねーんだよ!!悪いのは全部黒幕だっつったけどよ、舞園がオメーを救うために
遺したメッセージだってんなら、オレが全部の罪を被ることになんだろーが!!オレの中にある
色んな気持ちはどこに持ってきゃいーんだよ!?」
苗木 「そんな……僕はただ、前みたいに……友達に戻りたかった、だけで」
舞園 「あ、待って……桑田くん!」
腕をつかまれたのを、反射的に振り払う。
舞園は泣きそうな顔で手を引っこめて、そのまま地面にしゃがみこんだ。
朝礼台の近くまで来たところで、菜摘がじっと見てくるのに気づく。
菜摘 「……」
桑田 「菜摘?お前、いつから見て……」ぐいっ
菜摘は無言でオレの腕を引っぱって、そのままずんずん歩いて行く。
取り残された二人はいきなりの乱入にぽかんとしてた。
菜摘 「あの舞園って女を"許す"のが怖いんでしょ。……自分が悪くないって正当化するみたいで。
だったらいっそ、許さなきゃいい。あの女のことも……自分のことも」
オレを引っぱる菜摘の右手に、青い欠片が握られている。
菜摘 「あたし……ううん、私もそうだから。あんたが思ってるような女の子じゃないんだよ、私は。
何で今なんだろ……何でこんな、取り返しのつかなくなった後に"分かる"んだろうって思うの。
自分で、自分が嫌になる……あんたも同じだから、苗木に怒鳴ったんでしょ?」
桑田 「半分八つ当たりだよ……苗木なんか本当はどうでもいい」
菜摘 「だったらもう逃げよう。逃げて、楽になろうよ。私もあんたも、多分本当には
許してもらえないんだから。うわべだけ受け入れられたって、辛いだけじゃない」
桑田 「そう……だな」
ちら、と後ろを振り返る。
霧切が小泉先輩に迫られて、首を横に振っていた。小泉先輩は両手で顔を覆って、しくしく泣き出す。
菜摘 「独りぼっち同士で傷を舐め合うくらい、許してくれるよね。お兄ちゃん……」
204Res/358.32 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20