83:ヒヤコ ◆XksB4AwhxU
2017/03/23(木) 13:40:26.34 ID:qVx0d9/40
菜摘 「あのさあ……予備学科生は東地区に入れなかったんだよ?今は全部の地区が電子生徒手帳で
行き来できるようになってるけど」
ちょっと考えれば分かるじゃん、と菜摘は呆れてる。
桑田 「じゃあ、オレも西地区には行けねーのか……ホラーハウス見てえなあー」
菜摘 「西地区のテーマパークなんて、そんな面白くないよ?"あたしも含めて"
予備学科生は劣等感すごいし、本科生は行かない方が身のためかもよ。
さっきだって、寄宿舎が人少ないからよかっただけだし。
じゃ、あたしは予備学科の食堂行くから。またね!!」
桑田 「あ、ああ……」
菜摘はフェンスについたコンソールに、電子生徒手帳をかざした。
『ピーッ』と音がして、西地区と東地区を分けるフェンスが開く。
菜摘が通ると、警備員モノクマがビシッと敬礼した。
桑田 「またね、か……何か嬉しいな、オレにも喋ってくれる奴がいんだな」
【食堂】
桑田 (あんな恐い目に遭った後で、よく食欲があるよな)
オレの向かいに座った褐色巨乳の女子が、口いっぱいに料理を詰めこんでる。
ちょっとハミ出してるし。オメーはハムスターか。
隣で食ってるガタイのいい男子も「腹が減っては戦ができんぞぉぉぉ!!!」とか
叫びながら、山盛りのチャーハンをがっついてる。なんかもう、すげーとしか言えない。
桑田 (つーか、こんな機能あったっけ。楽しいけど)
ポケットに入ったままの電子生徒手帳を起動させると、『ウサミ』とかいうのが出てきた。
万歩計とたまごっちを合わせたみてーな感じだ。△ボタンをカチカチ押してトイレの世話をしてやる。
霧切 「ここ、いいかしら?」
葉隠 「お邪魔するべ!!」
ウサミの世話をしながらメロンパンをかじるオレの左に霧切、右に葉隠が立った。
遠くで、苗木が気まずそうな顔でこっちを見てる。話あんなら自分で来いっつーの。
桑田 「話はいーけどよ、出ようぜ」
とりあえず、二人を連れて食堂を出た。
男子トイレの前まで来ると、霧切は「誰もいないわね」と周りを確認した。
霧切 「……あなたの個室のドアに手紙を入れておいたけれど、読んでくれた?」
桑田 「読んだよ。……一緒にいた予備学科の女子も見たがってたから読ましたけど、
別にいいよな?」
霧切 「いいわよ。予備学科の方にも広めておきたいから……信じられないでしょうけど、
あの中に書かれていたのは全て真実よ」
桑田 「正直、信じらんねーな。あの記憶も、外の世界のことも。手紙の最初にわざわざ
"身長を測りなおせ"って書いてたよな」
霧切 「私は探偵だから、観察眼が鋭いの。あなたは入学時より2cm伸びていたはずよ」
結局、オレと舞園が殺しあったのは何の意味もなかった。
それだけが確かな事なのかもしれない。
霧切 「……私たちが立ち向かわなければならない敵。それはあの"神蝕"よ。そして、生徒に命がけの
試練を与える学園長も。そのためには、私たち生徒で団結しなければならないわ」
葉隠 「なあ、桑田っち。今すぐ許せとは言わねーけど、舞園っちとのことはしょうがないべ。
ひとまずそのことは置いといて、ってわけにゃいかねーか?」
霧切 「もしかして、77期生たちが怖いの?彼らは更正プログラムを終えているから、もう安全よ。
舞園さんも、あなたには謝っても謝りきれないと泣いているの。彼女のためにもあなたの
方から歩みよるのがいいと思うわ」
葉隠 「ぶっちゃけ、あれは桑田っちも悪いべ。ここはお互い謝って、チャラにすべきだと思うべ」
だから、謝ろうとしたら苗木が割りこんだんだろーが。お前らは中立って言葉知らねーのか。
霧切 「まだ思い出していないかもしれないけど……あなたと苗木君は、かつては親友同士だったのよ。
やり直す理由としては十分だと思うわ」
葉隠 「未来機関のおかげで、苗木っちは全部思い出してるべ。今からでも、昔みたいな仲良しに戻りたいって
思ってる。その気持ちはずっと変わってねーべ。桑田っちと舞園っちを忘れないために、
遺跡のパスワードだって」
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