日向「神蝕……?」
1- 20
28:ヒヤコ ◆XksB4AwhxU
2017/03/12(日) 19:13:34.65 ID:uk5v1yXc0
それから一時間ほど経ったころ、体育館の扉のロックが解除された。
……廊下に出ると、死体は全て片づけられたらしく、血の匂いがわずかに残っている。

日向  (死体の匂いってのは、何回嗅いでも慣れないな……)


【食堂】



体育館を出た俺たちは、夕食のために一階にある食堂へ向かった。
探索の時は行かなかったからな……廊下の壁紙も普通のものだし、窓の鉄板もなくなっている。
ただ、モニターと監視カメラはちゃんとあった。何のためなんだ?また中継しているのか、
それとも学園長がモニタリングしているのか……答えはまだ出そうにないな。

食堂の柱には巨大なテレビがある。画面は真っ暗だ。
そもそも、テレビ局があるかどうかすら微妙な所だろう……。


終里  「おっわ!!すっげー豪華なバイキングじゃねーか!!これ全部食っていいのか!?」

弐大  「こら、ちゃんとトレイに乗せんか!」ガシッ

用意されていたのは、サラダからデザートまで何十種類もの料理たち。食い尽くさんばかりの
勢いで飛んで行く終里を弐大が捕まえて、「ワシが入れたる!」とバランスよく乗せていた。
外は崩壊しているはずなのに、学園はどこから食料を調達しているんだ?

終里  「……」じーっ

弐大  「何じゃ、ワシの顔になんかついとるのか?」

終里  「いや…マジで弐大猫丸なんだなって思って……」ペタペタ

終里  (何でかな、おっさんが生身で動いてるってだけでうれしくて、他なんも考えらんねーよ……)グスッ

弐大  「どうした終里ぃ!飯が豪華すぎて嬉し泣きか!?」ガッハッハ

終里  「そう……だよ。そういうことにしとくよ……」ウルウル

日向  「なんか……あれみたいだな」

豪華な食事を見た俺の口から、その不吉な例えが言葉となって出る前に、事件は起こった。

ガッシャーン!!

粉々に砕けた食器の下には、ぐちゃぐちゃのチーズドリアがある。
突き飛ばされて転んだ罪木の尻餅になって割れたものだ。「ふええ…」と涙をにじませる罪木を
見下ろした西園寺は、いつもの調子で「ふんっ」と馬鹿にしたように鼻を鳴らした。


日向  「お前、また罪木をいじめて遊んでるのか。その態度は
     いざという時にお前の首を絞めるぞ。……身をもって学習しただろ」

西園寺 「うっ…だ、だって、こいつがふざけた事抜かしてんだもん!"最後の晩餐みたい"だって!」

罪木  「だって……だってぇ、こんなにたくさんのご馳走……ぜったい、おかしいですってばぁ……
     私たち、もうずっとここから出られな」

西園寺 「あーーっ、そうかよ!じゃあ一人で死んでろゲロブタ!ちょうどいいじゃん、
     わたしを殺した天罰が下ってくれるかもよー?
     そのブサイクな面見なくて済むんなら、明日にでも蝕が来ればいい!!」

日向  「西園寺!聞きたくもない暴言を聞かされる奴らの身にもなってみろ!」

蝕が来ればいい、と西園寺が叫んだ瞬間、周りの生徒たちが冷ややかな視線を向けてくる。
中には歯を食いしばって、恨みがましい目で睨んでいる女子もいた。
とりあえず、ぐすん、ぐすんと泣いている罪木に手を貸して立たせる。
エプロンに皿の破片がついて汚れているので、ナプキンを渡す。
「大丈夫か?」と聞くと泣きながら頷く。

日向  (罪木に悪気はないんだろうが、西園寺もどこで爆発するか分からないのが厄介だな)

日向  「俺が新しいのを取ってきてやるから、お前は朝日奈のテーブルに行ってろ。な?
     それと西園寺……気が立ってるのは皆同じだ。もう子供じゃないんだから、
     言葉は一旦呑みこんでから口に出せ」


ふんっとそっぽを向いている西園寺にも、釘を刺しておく。
とりあえず、罪木の好きそうなおかずを取っていってやる事にした。山盛りのトレイを持って
食堂をきょろきょろ見回すと、すぐに目的の人物と目が合う。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
204Res/358.32 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice