日向「神蝕……?」
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23:ヒヤコ ◆XksB4AwhxU
2017/03/10(金) 12:54:26.43 ID:lcFU0T5b0
日向  「何が見えたのか、嫌じゃなかったら教えてくれないか?」

九頭龍 「フラスコとビーカーのある部屋だ。台の上にすっぱだかの江ノ島が置いてあって……
     んで、三人でジャンケンして……狛枝が左手を」ウプッ

日向  「無理するな、聞いた俺が悪かった」

九頭龍 「いや、ここまで来たら最後まで言うぞ。左手を、ノコギリで……んで、次勝ったオレが
     ビニールの手袋で右目を……人体が味わう最も強い苦痛を感じて絶望したいとかいう
     理解不能な理由で、麻酔なしで指突っこんでえぐってた……手術の方はお前だよな、罪木?」

罪木  「は、はひぃぃ…狛枝さんの手をつけたのも、私みたいですぅ……
     ごめんなさい、ごめんなさい!今すぐ外しますからぁ!!」

九頭龍 「おい錯乱すんな!眼帯から手ェ離せ!!」ギャー

辺古山 「可哀想な坊ちゃん……」

聞いているだけで俺も痛くなってきた……。

豚神  「俺たちが思い出したのは、"絶望"の記憶……それに対して、78期生に与えられるのは
     幸福な学園生活の記憶……まさに"希望のカケラ"だな」

日向  「でも、それは本当に希望といえるのか?だってあいつらは、"仲良しのクラスメート"で
     殺しあった"絶望"を同時に感じているんだぞ。むしろ楽しい記憶なんて、思い出さない
     ままの方が幸せだったんじゃないのか」

豚神  「確かにな……」

日向  「ところでお前、いつまでその見た目のままなんだ?」

豚神  「しばらくはこれで行くつもりだ。そこそこ慣れているしな」

しばらく話している内に、みんなが落ち着いてきた。
そこで、俺はずっと考えていた『方針』を伝えることにする。

日向  「みんな、断片だけど"絶望"については思い出せたよな。だったら……俺がこれから
     言う事もうなずけるはずだ」

日向  「78期生とはなるべく交流を持つな。予備学科生ともだ。俺たち77期はなるべくお互いで
     固まって過ごそう。蝕の時も、それ以外も」

その提案に、全員が少なからず動揺する。

罪木  「えっ……朝日奈さんとも、だめなん…ですか?」

日向  「いや、苗木たち6人とは話してもいい」

ソニア 「どうしてですか!?この非常事態を生き延びるには、78期の皆さんとも力を合わせないと……」

日向  「あいつらを学園に閉じ込めて殺し合わせたのは、俺たちだぞ?」

元を辿れば江ノ島盾子だが、
誰が好き好んで『世界の破壊者』なんかとお近づきになりたいだろうか。

日向  「いいな、お互いが傷つけあわないためだ。78期の奴らには近づくな」

全員の顔を見回して、繰り返す。
ごく、と誰かが唾液を飲み込む音がした。やがて「分かった」「言うとおりにするよ」と答えが返る。
本当は、責められるのが怖いだけかもしれない……。ただ、これが一番いい選択だと、
俺も、仲間たちも心のどこかで信じていた。


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