116:ヒヤコ ◆XksB4AwhxU[saga]
2017/04/05(水) 12:20:01.49 ID:pssxomK80
【朝・食堂】
オレの文字のせいで喋るようになったとはいえ、ケータイに説教されるというのはあんまりいい気がしない。
セブン 『和一。カロリーメイトだけでは空腹はおさまらないぞ。
そんなバランスの悪い朝食で、命がけの試練を乗り切れると思うのか?』ピロンッ
左右田 「それどころじゃねーよ!!今のオレには蝕より親友の怒りの方が大問題なんだよ!!
メールも返ってこねーし、これはいよいよやべーぞ……」もぎゅもぎゅ
田中 「貴様の自業自得だろう……いっそ、あの人形を破壊して特異点に許しを乞うのはどうだ?」
セブン 『……それでは、かえって火に油を注ぐことになると思うぞ』
左右田 「あああ、オレはなんてバカなことを言っちまったんだ……!」
頭を抱えるオレに、向かい合って飯を食う田中は「怒りが解けるのを待つしかないな」と
珍しく役に立つアドバイスをくれた。
ソニア 「あら、おはようございます田中さん、左右田さん」
左右田 「間が空かなくなっただけでも嬉しいです」キリッ
ソニア 「今日は隔離型が来るそうですね……できればこの3人でチームになれたら嬉しいのですが」
左右田 「えっ!?」ガタッ
田中 「何を期待している。俺と雌猫は"始"から共に行動しているが、雌猫は体力が足りないからな。
俺一人では守り切れない可能性があるから、というだけの話だ」
左右田 「あ、そうですよね……分かってましたよ、はい」
ソニア 「あら。左右田さんと一緒に行きたいとおっしゃったのは、田中さんじゃありませんでした?」
田中 「なっ……俺が雑種の力にひれ伏すなど、万に一つもありえ「もしかして……オレと仲良く
なりたいとか?」……今すぐ口を閉じろ「……はい」しかし、残酷な審判の刻まで猶予がないな……」
左右田 「あと5分しかねーじゃねーか!!」ガタッ
ソニア 「日曜日ですから、つい朝寝坊してしまいましたね。チョベリバですわ」
左右田 「チョベリバどころじゃねー!!つーか、ナナミ取ってこねーと!!」ガタッ
セブン 『私を七海に装着してくれるという話はいつやってくれるのかね』
左右田 「あーあー、帰ったら即やってやる!!丸腰で蝕なんてゴメンだ!!」ダッシュ
そうやってオレが焦ってる間にも、時計の針は進んで――
カッ!!
窓から見える空島が、太陽と重なってものすごい光を放った。
【日向創:Chapter3『夢』(ユメ)】
日向 「ん……」むくっ
日向 「無事に転送されたか……隔離型ということは、あと二人いるはずだ。早めに合流しないとな」
ポケットからボールペンを取り出して、指先で回しながら歩く。
今回の蝕は、雰囲気が重苦しい。暗く、淀んだ灰色の空。瓦礫の広がる地面。赤い水で満たされた池――。
子供のころお寺で見せられた地獄絵図が思い出された。
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