110:ヒヤコ ◆XksB4AwhxU[sage]
2017/04/01(土) 10:43:21.34 ID:fPDAiR9v0
セブン 『……君たちは、"絶望"と呼ばれる存在だったと聞いた』
左右田 「んだよ、またお説教か?」
セブン 『絶望も希望も、同じ"望"という漢字が入る。すなわち、元は一つということだ。
和一、君が望むなら、そのどちらにも立つことができる。だがあえて絶望を選ぶ理由があるなら、
私は止めはしない。ただ』
左右田 「ただ?」
セブン 『君のHDDに隠している秘密がどうなるか、保証はできない』
左右田 「ぬあっ!?お、おまっ……ケータイのくせに人間を脅迫すんのか!!?」
セブン 『……ふっ。それが嫌なら、君のすべきことはただ一つ。……創を探し出し、分かり合うことだ。
創の心はまだ、君の圏内にある』
左右田 「……だーっ、くそ!!」ガタッ
セブン 『待て、創を追いかける前に私をバッテリーに繋いでくれ。そろそろ充電が「わーったよ、ほれ!!」……では、
しばらくスリープモードに入る。健闘を祈るぞ、和一』プツンッ…
カシャッ。
左右田があわただしく出て行った後の食堂で、小泉は充電中のセブンをカメラに収めた。
小泉 「ねえ、このケータイって左右田の文字のせいで動くの?」
豚神 「いや……セブンの話によると、"引きよせられた"というのが正しいらしい。気がつくと、
左右田のケータイに入っていたとか。左右田の文字が偶然発動したんだろうな。
"アンカー社を知らないか"とか、わけの分からない質問をしてくるが、悪い奴ではない」
小泉 「ふーん。左右田の文字って、機械に魂を入れられるんだっけ……じゃあ、千秋ちゃんの中に入ってるのも?」
豚神 「いや……あれはただ、教えこまれた情報を再生するだけの機械だ。七海千秋の人格はないだろうな」
小泉 「そっか。なんだか、さみしいね……」
二人の視線の先には、開きっぱなしの頭から青い電流を放つ七海の人形がいた。
204Res/358.32 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20