日向「神蝕……?」
1- 20
10:ヒヤコ ◆XksB4AwhxU
2017/03/08(水) 17:27:00.71 ID:r4P7jXfa0
>>9ありがとう。

日向  「どっ……どうすれば……」

辺古山 「坊ちゃん!ここは危険です、早く!」

目にも止まらぬスピードで走ってきた辺古山は、九頭龍の手をぐいっと引っぱって
立たせた。九頭龍は「先に行ってんぞ!」と叫んで、体育館を後にする。

ソニア 「あ、あ……!」ガタガタ

田中  「……思考は本能を鈍らせるぞ、雌猫。しかしこの怪奇……再会を喜ぶ暇もなさそうだな」

ソニア 「田中さん……!」

田中  「これが罪深き我らに与えられた蜘蛛の糸か……いいだろう、地獄より還りしこの魂、
     後は野となれ山となれ!……雌猫、貴様が望むなら、その立会人にしてやってもいい」

ソニア 「わ、私は……」

ソニア 「……」グッ

ソニア 「行きましょう!」スクッ

左右田 「あーっ!!チックショー、また田中に抜け駆けさせてたまっかよ!!」ダダダダッ

左右田も二人を追って出て行ってしまう。ソウルフレンドに激励の言葉はないのか?
……気づくと、この一分足らずで体育館からほとんどの生徒が消えていた。

学園長 「君達、何をしているんだ?」コツッ…

霧切  「……」ギリッ

学園長 「すでに試練は始まっているよ。早く外に出て闘うんだ。その"文字"を使ってね」

ズズズッ

日向  「!床にも円が出て……」グイッ

学園長 「ちなみにこの化け物たちは、"始"という漢字から生まれた。
     漢字から生まれた本能だろうね……君達の体に刻まれた文字の"匂い"を追う。
     学園のどこに逃げようと、闘いからは逃れられない」

学園長はその言葉を証明するかのように、抱えていたモノクマのぬいぐるみを
ポイッと化け物たちの群れへ放り投げる。
……化け物は見向きもせず、生徒たちを追い回していた。

霧切  「何を、他人事のように……これを仕組んだのはあなたでしょう!?」

豚神  「日向、走るぞ!」

足がすくんでいる俺を引っ張ったのは、十神だった。
その肥った体をものともしない走りは健在だ。
十神はそのまま、空いた左手で泣いている赤いジャージの襟首をつかむ。

朝日奈 「あ、あんた……十神?」

豚神  「説明は後だ、とにかくこの体育館を出るぞ!この狭さだ、囲まれたら……」

グチュッ…ガシュッ、ギャアアアアア!!

俺たちの後ろで、肉が引きちぎれるような音と、悲鳴が聞こえた。

グチュ、グチョッ…ゴリゴリ…ブシュゥゥ…

豚神  「……ああなる」

霧切の声ではなかったことに、少しだけホッとする。
ちらっと振り返った向こうでは、何体もの化け物が下半身のない女子生徒にかぶりついていた。
血しぶきが上がるたび、まだ生きている女子生徒は体をびくつかせて、悲鳴をあげる。

日向  「うぶっ……」オエッ

豚神  「吐くな、貴重なエネルギーを無駄にする気か!
     ……おい、愚民ども!お前たちがまだ生きることを諦めていないなら、すぐにここを出ろ!
     これは忠告ではない、"超高校級の御曹司"の命令だ!!」

十神の声に、残っていた生徒たちも弾かれたように逃げ出した。
俺たちの手を握る十神の手に、じっとりと冷や汗がにじむ。

朝日奈 「いやだ……こわいよ……さくらちゃん、どこにいるの……?」グスッ


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