メイド「私の嫌いな貴方様」
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69: ◆TEm9zd/GaE[sage saga]
2017/07/26(水) 20:31:05.30 ID:map0ZiFl0


今日の予定は一、二限目が学校施設の案内と三、四限目は学力テスト。午後からは部活動説明会となっている。

今は午前の日程が全て終了しお嬢様と一緒にお昼を食べている。
最初は購買でお昼は何か買おうと思ったが、そんな私を見てお嬢様が作りすぎたから私のお弁当を食べるといいと言って五段のお重を取り出した。
明らかに作りすぎたとかそういうレベルの話じゃないが、くれるならとありがたく頂く。

厚く切られたハムの中華炒めに旅館で出てきそうなほど形美しく味の薄い卵焼き等々、思わず笑みがこぼれてしまうほどおいしかった。さすがはお嬢様。
花嫁修行という名目で覚えさせられたのだろうか。
それとも、作りすぎたというのは言葉の綾で、本当は使用人に作らせすぎたのか。どっちだとしても些細な事だけど。

そういった具合で楽しくお昼を過ごしている。


ちなみに今朝から今まででお姉ちゃんとは話せていない。相手が教師だとなかなか一緒に話す時間というものは取れない。
それに加えて何故だかお嬢様が暇を見つけては話しかけてきたためでもあるが。……懐かれたなぁ。


歯がゆさはある。だが私には秘策がある。焦る必要はない。


お嬢様「その……女はさ、何か部活入るの?」


女「一応そのつもりだけど……」


そう秘策とはまさにそれ。
お姉ちゃんが顧問をしている部活に入部する。
同じ組織に所属することで二人の仲は急接近。
名付けて同じ釜の飯を食べて、お姉ちゃんのことも食べちゃおう作戦。


……作戦とか抜きにしても、お姉ちゃんの近くにはいたかった。まだ何の顧問をしているか知らないけど。

ひょっとしたら顧問なんてやってないんじゃなんて思ったけれど、それはないと浮かんで二秒で否定した。
夏休み、いや盆と年末に忙しくて帰ってこれない理由なんて部活の他に何がある。いや、ないね。


女「そういうお嬢様は? どこか入るんでしょ?」


お嬢様「そうだね……女と同じところに入ろうかな」


女「知り合いがいると安心するもんね。でも、やりたくない部活だったら止めときなよ」


お嬢様「う、うん……」


お嬢様の返事に満足して頷き、ひじきに箸を伸ばす。うむ美味。






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