メイド「私の嫌いな貴方様」
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120: ◆TEm9zd/GaE[sage saga]
2019/03/09(土) 19:53:22.70 ID:XWj0qJN60


その後、何をしたのか覚えていない。

気づけば放課後になっていた。

分厚い雲が空を覆っている。
まるで私の心のよう。
今にも雨が振りだしそうだ。


お嬢様「女……女ってば!!」


女「ん……なに?」


お嬢様「だ、大丈夫? さっきから、そ、その……な何回も呼んでるのに、無反応だったから」


女「ん? んん。大丈夫……じゃないなぁ」


お嬢様「……お昼のこと?」


女「ん、うん。……ねぇ先生がきてからどうなったっけ?」


お嬢様「え? せ、先生がきてから? えっと……たしか……」

お嬢様「先輩が、先生にか……彼氏と仲良くやってるかってきいて……」


女「そこはいい」


お嬢様「あ……うん。えっと、そしたら先生が怒って」

お嬢様「で、先輩がその、女に告白して振られたって、だから先生も振られてたりしないかなぁって、言ってて」

お嬢様「また、先生怒って。彼氏さんとは仲良くしてるし、他人の不幸を喜ぶようなこと言っちゃ駄目だって……そ、そんなだから、ふられるんだって」

お嬢様「そ、そこまで聞いて突然、女がふらふらって歩きだして」

お嬢様「先生の言ってることも、先輩のことも、わ……私のことを無視して教室に」


で、いまに至ると。

お嬢様の話を聞く限り、ずっと私は心ここにあらず状態だったのだろう。

……今になって正気を取り戻したのは放課後になったからか。

つまり、部活の時間。


女「帰ろう」


お嬢様「え、帰っちゃうの……? あ、そ、そうだよね、せん、先輩がいるもんね」

お嬢様「わ、わたしも、帰るよ……いっしょにかえろ……――え、女……」


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