292: ◆MOhabd2xa8mX[saga]
2019/06/27(木) 20:01:34.17 ID:NjgE3cN8O
部長「うぃーすっ」ガチャ
誰も居ない部室、俺の言葉だけが響く。
夏休みからではあるけど誰よりも早く来て準備する。
会長が歌に専念できるように、これが俺が出来るせめてもの努力。
部長「なんだよ、誰も居ねーのな」
会長に全てがかかっている。
部の存続のためなら、三年の夏を全て捧げるつもりだ。
今まで散々足を引っ張ってきてしまったのだから、この程度の事は――
男「とか思ってんだろうな」
部長「はぁ!?」
男「部長、誰かのお膳立てで最後の夏を終わらせるつもりですか?」
部長「お前誰?女子なのに制服が男子だけど」
男「誰って、そうか。分からないですよね」
男「男です」
部長「は?」
男「声で分かりますよね?鈍い人はいつも誰かの後塵を拝する」
男「俺、会長のバンドを抜けますから」
部長「……」
ウィッグの毛先が肌に刺さった気がした。
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