俺ガイルSS 『思いのほか壁ドンは難しい』 その他 Part2
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926:1[sage]
2022/10/11(火) 22:49:28.07 ID:Djle0+rf0

結果的に葉山に全ておっ被せる形になってしまって、正直、多少なりとも後味が悪い。
もちろん、それ以上にざまぁという気持ちもないわけではないのだが。
少しだけオブラートに包みながらも俺がそう口にすると、

陽乃「いいのいいの。この際だから隼人にはキツくお灸を据えておかなきゃって、思ってたところだし」

八幡「 ……… お灸、ですか? 葉山に?」

陽乃「そ。比企谷くん、あなた、隼人からずっとヒキタニって呼ばれてたんでしょ?」

八幡「え? ええ、まぁ …… つか、何でそんなことまで知ってんですか?」 

俺の問いには答えず、陽乃さんが重ねて問うてくる。

陽乃「それって、おかしいって思わなかったの?」

八幡「いや、ここいらでは比企谷って名前自体珍しいし、人の名前を間違えることくらい誰でもあるじゃないですか」

そもそも俺なんてクラスメートから名前覚えてもらえないことの方がよっぽど多かったし。

陽乃「あの隼人がクラスメートの名前を間違えて覚えると思う?」

八幡「そりゃ…」

言われてみれば確かにその通りかも知れないが、俺はてっきり葉山のグループの誰か、―― 恐らく戸部あたり ―― が間違えて覚えたのがそのまま定着してしまったのだろうくらいにしか認識していなかった。

そうでなくとも、あいつらってばヒキタニだのヒキオだのヒッキーだの好き勝手呼びやがって、最初っからまともに覚えるつもりがあったのかと勘繰りたくもなってしまいたくなるくらいだ。いくらなんでも人の名前を雑に扱い過ぎじゃね? 俺も川なんとかさんに対しては人のこといえないけど。

陽乃「 ―――――― わ・ざ・と・よ」

八幡「 ……… は?」

陽乃「私たちがあなたのことを探してるって知ってて、同じクラスにいたのに、わざとずっと知らないふりをしていたの」

八幡「なんでそんな真似を?」

陽乃さんはやはりその問いにも答えず、代わりに俺を見る目を僅かに細めただけだった。




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