俺ガイルSS 『思いのほか壁ドンは難しい』 その他 Part2
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[sage]
2022/10/10(月) 09:25:23.61 ID:4j2wPxKL0
雪乃「 ………… もう。たかが数日の間だけなのに、随分と大袈裟なのね」
恥ずかし気に俯き、再び俺の胸にもたれかかる雪ノ下の口から、切なくなるような湿った溜息とともに思いも寄らない言葉が漏れ聞こえてきた。
八幡「 は ………? 」
雪乃「 ……… え? 」
その瞬間、俺の頭の中が膨大な数の疑問符に占められる。
戸惑う俺から雪ノ下が一歩離れ、まじまじと俺の顔を見つめる。
雪乃「ええっと……、私はこれから留学予定だった学校やホームステイ先にお詫びの挨拶回りに行く ……… つもりだったのだけれど」
俺の様子を見て、雪ノ下が、おずおずと付け加えた。
八幡「え、や、で、でも由比ヶ浜が、お前が大変だって」
雪乃「由比ヶ浜さん? 由比ヶ浜さんにはそのことはちゃんと伝えてあったはずなのだけれど」
解せないわ、とばかりに首を傾げ、どこかで見たようなピンクのシュシュに束ねられた黒髪が肩先から胸元に向けてさらりと滑り落ちる。
八幡「それに、お前のスマホに電話したけど、すぐに留守番電話に切り代っちまって …… 」
雪乃「あ、ご、ごめんなさい。スマホは荷物と一緒に預けてしまったの。タブレットもあるし、いずれにせよフライト中に通話はできないから」
八幡「じゃ、じゃあ、陽乃さんからの、奉仕部をよろしくって伝言は?」
雪乃「それは、“部長である私のいない間、奉仕部をよろしくね”って意味だったのだけれど ……… 」
そのまま少しばかり困ったような表情を浮かべ、暫く俺の様子を窺っていた雪ノ下だが、不意に何かに気がついたように目を見開く。
雪乃「もしかして、あなた、私がまた留学してしまうんじゃないかと勘違いして?」
八幡「 ………… え? あ、や、うん、いや、まぁ、そ、それはアレだ、ほら、アレがアレしてナニだから」
図星を衝かれ、めまぐるしく目を泳がせながら必死に誤魔化そうと考えを巡らせるが、いつもはいくらでも思いつくはずの適当な言い訳がこんな時に限って何ひとつ出てこない。
雪乃「それで、私を止めようとして、わざわざここまで?」
そんな俺に対し、雪ノ下が詰将棋のように淡々と逃げ道を塞いでゆく。
もうやめてっ! 俺のヒットポイントはとっくにゼロなのよっ!
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