俺ガイルSS 『思いのほか壁ドンは難しい』 その他 Part2
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901:1[sage]
2022/10/03(月) 22:13:35.08 ID:C6AJlavI0

八幡「先生もあいつからは何も聞かされてなかったってことですよね?」

俺はともかく、今まで散々世話になった恩師にひと言もないというのが少しだけ引っかかった。
無論、先生の口から俺に伝わるのを避けたとも考えられるのだが。

平塚「留学の件もそうなのだが、殊、話題がキミの事に及びそうになるとなぜか露骨に話を逸らされてしまってな」


……………… なるほど。あいつってば基本、嘘の吐けない性格だからな。

俺と違ってテキトーぶっこいて煙に巻くとか、そういう芸当もできなそうだし、そりゃそうなるか。

ちなみに俺と雪ノ下の関係を知っているのは今のところ由比ヶ浜だけである。
別に隠すつもりなどないのだが、雪ノ下は自分からわざわざそういうことを口にするタイプではないし、俺に至っては単に伝える相手がいないというだけの話だ。
もしかしたら陽乃さんや葉山あたりは薄々感づいているかも知れないが、あのふたりが他に触れ回るようなことはないと考えていいだろう。

ふと気がつくと俺の顔をしげしげと覗き込む平塚先生の顔がすぐ目の前にあった。
雪ノ下のサボンとも、由比ヶ浜や陽乃さんのフローラル系とも異なるタバコと香水の入り混じった甘い大人の香りが漂う。

って、近ぇよ。親しき仲にもソーシャルディスタンスって言うだろ。え? 言わない? いつの話だよそれ。


平塚「もしかして ……… 雪ノ下との間に何かあったのかね?」

八幡「や、何かって、何がですか?」

咄嗟のことに我ながら白々しく答えるが、逸らしたはずの目が意に反して勝手に泳ぎ出す。

平塚「それは明らかに何かあった人間のセリフと態度だぞ」

そらっとぼける俺を見る先生の口許に苦笑が浮かぶ。

平塚「それにキミの方こそ、彼女と毎日部室で顔をつき合わせていたのだろう? それこそ訊く機会はいくらでもあったはずではないのかね?」

先生の言う通り、確認しようとすればいつでもできたはずだ。それを怠っていたのは他ならぬ俺自信の責任である。
今更聞くまでもないと多寡を括っていたというのもあるが、彼女の口から自分にとって不都合な真実を聞かされるのが怖かったという気持ちも多分にあった。

都合の悪い現実から目を背け、見て見ぬふりを続けた挙句に、最後の最後で詰めの甘さが致命的な失敗へと繋がる。
これまでの人生の中でも幾度となく苦い経験をしてきたはずなのに、俺はまた同じ轍を踏んでしまったというのだろうか。




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