俺ガイルSS 『思いのほか壁ドンは難しい』 その他 Part2
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[sage]
2020/04/26(日) 00:27:20.43 ID:bGpQd3+80
振り向いて見上げれば、門の上に覆いかぶさるように松の枝が伸びている。これがいわゆる迎えの松というやつなのだろう。
門扉は大きく開け放たれたままになってはいるが、正門はそれなりの身分のある者しか通ることが許されなかったと聞く。
DNAレベルにまで刻みこまれた先祖代々由緒正しい庶民生まれの俺としては、とりあえず袖にある小さな通用口の潜り戸からそろりと入ろうとすると、
雪乃「 ―――― 何をしてるの、こっちよ」
当たり前のように正門の前に立つ雪ノ下に手招きで促される。
こうなってしまった以上は仕方あるまい。だが、こんな時の正しい作法も一応は心得てはいる。俺はやおら息を大きく吸い込むと、
八幡「たのも …… 」
雪乃「いいから、早くなさい」
言いかけてる最中に強引に袖を引っ張られてしまった。
やれやれ、―――――――― “汝等こゝに入るもの、一切の望みを棄てよ”、か。
俺は再度その大きな門を見上げ、改めて覚悟を決めると、黙って雪ノ下の後に従った。
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