俺ガイルSS 『思いのほか壁ドンは難しい』 その他 Part2
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2020/03/31(火) 10:52:43.11 ID:Ls+QV4MJ0
雪乃「でも、別にあの時の事であなたを責めているわけではないの」
ふるふると小さく首を振ると、その艶やかな黒髪がさらさらと揺れ、まるで雪の結晶のような光が弾けて空気に溶ける。
雪乃「私は、例えそれが嘘だとわかってはいても、彼女が、海老名さんのことがとても羨ましかった。そして、―――― それ以上に妬ましかった」
いいえ、それも違うかもしれないわね、と、今、自分が口したばかりの言葉を否定する。
雪乃「 ――――― あの時、私は、あなたに対する本当の気持ちに気がついてしまったの」
そこで彼女は言葉を切り、それ以上は何も言わず、その代わりに俺の肩に暖かな重みが遠慮がちに加わるのを感じた。
このままずっと時間が停まってしまえばいい。生まれて初めて俺の中にそんな感情が生まれた。
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