俺ガイルSS 『思いのほか壁ドンは難しい』 その他 Part2
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665:1[sage]
2019/07/19(金) 00:54:51.89 ID:U7GVPbHG0

俺の言葉を裏付けるようにして、扉の隙間から飼い猫のカマクラが顔をのぞかせ、そのままのそのそと部屋に入って来た。

冬なのにわざと扉を少し開けておく習慣はネコを飼っている家あるあるだ。
もっともこの場合はネコのためというよりも、いちいち戸を開け閉めするのが面倒だという飼い主側の事情によるものが大きいのだが。

ここで犬ならばまず間違いなく飼い主の危険を察知して即座に駆け寄ってくるところなのだろうが、部屋に入って来たカマクラはこちらを一瞥したきり後は見向きもしない。

別に俺が嫌われているとか、家族のヒエラルキーの中でも一段低く見られていると言うわけでもないし、できればそう思いたい。
ネコはイヌと違って多分に野生が残っているらしく、例え相手が誰であろうとまるで気兼ねすることなく勝手気儘、悠々自適に振る舞う可愛らしくも憎たらしい生きものなのである。


陽乃「名前はなんていうの? あ、あなたじゃなくてもちろんネコの方ね?」

八幡「 …… いちいち断らなくてもそれくらいわかりますから。えっと、カマクラです」

陽乃「ふーん。カマクラ、ね。おいで、カマクラ」

カマクラは陽乃さんに名前を呼ばれると甘えた声でにゃあとひと鳴きし、そのままとことこソファーまで近づいてきてごろんと横になる。
あまつさえ撫でれとばかりに腹まで見せやがった。

おいおい、お前の野生の矜持と飼い主である俺の立場はいったいどこにやったんだよ。 




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