俺ガイルSS 『思いのほか壁ドンは難しい』 その他 Part2
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651:1[sage]
2019/07/17(水) 20:40:03.96 ID:9g2X1Clv0

そうは言っても、お客様相手にいつまでも立ったまま相手をするのもさすがに失礼なので、テーブルを挟んで斜向かい、物理的に限界ギリギリまで距離をとり、半ば尻がずり落ちそうな見るからに不自然な姿勢で腰掛ける。


陽乃「そういえば、比企谷くんの家に来るのはこれが初めてね」

とりたてて広いともいえぬ部屋の中を興味深げにぐるりと見回しながら、陽乃さんが感慨深げに口にする。

当然である。招きもしないのにしょっちゅう押しかけられたのでは俺としても堪ったものではない。できれば最初で最後にして欲しいくらいだ。

陽乃「たくさん本があるのね。これ、みんな比企谷くんの?」

八幡「俺のもありますけど、ほとんどはオヤジのです」

ちなみに母ちゃんと小町は実用書以外の本は滅多に読まない。比企谷家における男系の遺伝なのだろう。

陽乃「全部読んだの?」

八幡「ええ、まぁ、一応、ひと通りは」

陽乃「へぇ、もしかして将来は作家にでもなるつもり?」 

八幡「まさか。単なる趣味っていうかヒマ潰しみたいなもんですよ」

小さい頃から両親共働きで家にいないことの方が多く、幼い小町ひとり残して外に遊びに出かけるわけにもいかなかった俺は、自然、家で過ごす時間の方が長かった。
殊更本が好き、という自覚はないのだが、活字に対する抵抗は少ない。
そのせいか同年代の子供たちよりも文字を覚えるのも早かったし、難しい漢字もいつの間にか読めるようにもなったのだから、決して悪い事でもないのだろう。
今でもどちらかというとアニメよりも原作のマンガやラノベの方が好きなのは、そのせいなのかも知れない。




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