俺ガイルSS 『思いのほか壁ドンは難しい』 その他 Part2
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645:1[sage]
2019/07/17(水) 20:23:35.07 ID:9g2X1Clv0


「 ―――― あら、こんなところで偶然ね」


明るく柔らかく親し気とさえいえるはずなのに、その声を耳にした途端に背筋を冷気が這い上がるような気がしたのは何も冬の朝だからというだけではあるまい。

八幡「 ……… いや偶然て、ここ俺んちなんですけど」 しかも、こんなところて。

俺のツッコミをさらりと聞き流し、その声の主 ――― 陽乃さんは開け放たれた黒塗りのハイヤーの後部座席のドアからすらり優雅に降り立つ。

そんなさり気ない仕草も、この人の場合、まるで女優のように様になる。

見るとどうやら車に乗っていたのは陽乃さんだけの様子。だとすれば雪ノ下は今、あのマンションでひとりきりということなのだろうか。


ちょうどその時、俺の背後で今しがた締めたばかりの玄関の扉の開く音がした。

小町「 ――― あれ? お兄ちゃんどうかしたの ……… って、はわわわわ、陽乃さん?!」

振り返れば扉の隙間から外を覗く小町の目が驚きのあまり真ん丸くなっている。


陽乃「およ? 小町ちゃんだ。おはやっはろー! お久し振りだねぇ」

由比ヶ浜だとまるでトイレのLEDのように無駄に明るい挨拶も、陽乃さんがやるとあざとくも魅力的に見えてしまうから不思議な。

俺は一瞬だけ迷った後、すぐにくるりと回れ右して小町へと向き直る。


八幡「小町、スマンが俺ならいないと言っといてもらえるか?」

陽乃「 ……… そこまで堂々と居留守使われるのはさすがに私も初めてなんだけど」




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